日本一かたい!?善通寺市の名物!懐かしい味のお菓子・カタパン

ライブ5時 いまドキッ!
総本山善通寺にやってきました。この厳かな雰囲気がいいですね。
この参道を通って右に曲がったところに、日本一かたいお菓子!?があるということなんです。



ーー時刻は、お店が始まる午前9時。

あそこの看板『本家かたパン』。
うわー、レトロ!歴史がある。木造の、立派な!



この入れ物、木だ!

(熊岡民子さん)創業のときからね。

お菓子売り場で、あまりこの入れ物は見ないですね。私は初めて見ました。


創業して何年ぐらいなんですか?
 
(熊岡民子さん)明治29年の11月3日が創業した日です。京都から見たらね、まだ子供ぐらいのところですよね。


ーーそんな熊岡菓子店の『名物カタパン』とは。

これが日本一かたいお菓子ですか?

(熊岡民子さん)さあ日本一かたいかどうか知らんけど、皆さんかたいとおっしゃるけど。『石パン』が固いのね。


 
これパンっていう名前ですけど?

(熊岡民子さん)かたいお菓子ですけどね。

ーー味や形が違う『カタパン』は、全部で5種類。



(熊岡民子さん)腹持ちして、日持ちがして、最初は軍用食だった。兵隊さんが戦地に持っていくのにね。


ーー当時は、兵隊パンとも呼ばれていた。開発を依頼されて誕生した『カタパン』は、今や地元の名物。
 


(お客さん)京都の娘とかにも送ります。大阪の友達とかにも送ります。

(お客さん)この味自体が懐かしいっていうか。小さいときからおやつとして食べてたもんで、大人になってもたまに欲しくなる。

(お客さん)ここなかなか買えなくって、開店が9時なので、早めにもう9時に起きとこうかなと思う。
 
ーー多いときには、午前中で売り切れることも。


今、午前11時なんですけど行列ができています。昼前にこれは売り切れますね。大繁盛!中丸パン、ラスト1個です。


ーー手頃な値段なので大人買いできるのも魅力。石パンは、100gで200円。
 
おお〜、もう音がかたいですね。

(熊岡民子さん)うん、音からね。


ーー1枚40円の角パンや、1枚50円の中丸パンなど3袋分を大人買い。



ーー行列ができるほど人気のカタパン。まずは民子さんが一番硬いと断言する『石パン』をいただく。



いただきま〜す。甘いお砂糖の香りです。
・・・。かった。こりゃ、石ですわ。
 



(熊岡民子さん)かたいでしょ。

かたいどころの騒ぎじゃないかもしれないです。これって、かめますか?

(熊岡民子さん)かめません。

かめませんよね!

(熊岡民子さん)そろそろ、しばらくしよったらね溶けてきますから。



硬いんですけど、それ以上にショウガのような風味が、口いっぱいに優しく広がりました。
 
ーー1分後。
 
ガリッ、あっ、かめた。
 


カリッ、ゴリッ、何だろう!?たまご?牛乳?なんかビスケットのような味です。



(熊岡民子さん)たまごに牛乳は入ってない。その石パンには入ってない。

この優しい生地の甘さは何の味ですか??"

(熊岡民子さん)ひみつ。
 


ーー続いて、角パン。


パリッ、パリッ。かたいんですけど、前歯で噛み切れるぐらいのかたさで味が違います。
 


なんだろう、味を教えてもらっていい?って、みなさん思うと思うんです。
「いや、何の味やねん中屋?」と。
でも本当にこれ表現難しいですよね!?
 


(熊岡民子さん)難しいですね。「食べてみてください」って、言わないかん。

食べてください!!!

ーー日持ちするのは1か月ほど。
 
(熊岡民子さん)それ以上でも持つんだけどね、1か月ぐらいまでには食べてほしいですね。
 
ーー中屋の顔より大きい『大丸パン』や、少し小さめの『中丸パン』。




また違う。これは『石パン』よりも柔らかい。味も全然違う。

(熊岡民子さん)香ばしいでしょ!

そうです。香ばしいんですよ。


(熊岡民子さん)そら豆がが入ってる!煎ったそら豆が入っとる。黒いポツポツが入ってるでしょ。高炉で煎って、それを粉にして入れてあるから。

そうそうそう。これホントに香ばしいですよ!
 


お母さん今おいくつですか?
 
(熊岡民子さん)89歳です。
 


この9月で90歳になります。
 
お元気!すごい、ずっとこの街の皆さんを見守ってこられたんですね。
 
(熊岡民子さん)そうですね。70年嫁いできて、70年ここで立っていますから、古くから来てくれる人が「おばあちゃん元気でおってください」言うてくれたらありがたいですよね。



(熊岡民子さん)もう若い子が「ここを通って中学校に行きよる時におばあちゃんの前を通って行きよったんで自転車で」って。
そんな人が成人して、子どもさんや孫さんを連れてきて、また買いに来てくれるからね。「おばあちゃん、また元気でおって顔を見に行く来るからね」って言うてくれたらありがたいですよね。


それを聞くと、もうちょっと頑張ろうって。

(熊岡民子さん)そうですね、こうやって話ができるんが元気の素やと思いますよ。
 
ーー門外不出の作り方で、ここでしか食べられない味を100年以上守り続けている。



この『カタパン』以外にも、えびせんやバターケーキなどの人気メニューがまだまだありました。善通寺への参拝と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか?
 
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『熊岡菓子店』
場 所:善通寺市善通寺町3-4-11
営業時間:9:00〜16:00
    ※なくなり次第終了
定休日:火曜日、第3水曜日
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