ビデオテープが再生できなくなる?思い出を救う”2025年問題”と対策
実家の押入れや天袋に、昔撮影した懐かしいビデオテープが眠っていませんか?

子どもの運動会、家族旅行、結婚式の記録…。色褪せないはずの大切な思い出が、失われてしまうかもしれない危機に瀕していることをご存知でしょうか。
今、静かに進行している「ビデオテープ2025年問題」の深刻な実態と、手遅れになる前にあなたの宝物を救い出す方法を、徹底解説します。
■「ビデオテープ2025年問題」とは?あなたの思い出が消える2つの理由

なぜ、私たちの思い出が危機に瀕しているのか?その原因は大きく分けて2つあります。

【理由1:テープそのものの寿命】

ビデオテープの寿命は、保存状態にもよりますが一般的に20年~30年と言われています。
テープの磁性体が劣化したり、湿気によってカビが発生したりすると、映像が乱れるだけでなく、再生機器を故障させる原因にもなります。子どもの頃に撮ったテープは、すでに寿命を迎えつつあるかもしれません。
【理由2:再生デッキの生産終了】

もう一つの深刻な問題が、ビデオテープを再生するための「ビデオデッキ」が、すでに国内での生産を終了していることです。
今、自宅にあるデッキが故障してしまえば、修理することも、新しいものを手に入れることも非常に困難になります。つまり、「テープは無事なのに、再生する機械がない」という事態が迫っています。
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■蘇る、30年前の記憶。実際にデジタル化を依頼してみた
「本当に見れなくなるのか?」
その実態を確かめるべく、30年間一度も再生したことがないという、坂井アナの幼少期のビデオテープを専門店に持ち込んでみました。
店主によると、持ち込まれるテープにはカビが生えていることも多く、再生前に専門的なクリーニングが必要なケースも少なくないとのこと。
幸い、テープは無事でしたが、いざ再生を試みると、なかなか映像が映りません。
諦めかけたその時、調整を重ねたデッキのモニターに、映像が映し出されました。
もしこのテープが見られなくなっていたらと考えると、胸が締め付けられる思いになります。
■駆け込み需要が急増中!結婚式での利用も
この「2025年問題」が知られるにつれ、デジタル化サービスの依頼は急増。
取材したお店では、以前は月に10本程度だった依頼が、今では多い月には100本にものぼると言います。
特に多いのが、結婚式で流すプロフィールムービーのために、新郎新婦の幼少期の映像をデジタル化したいという依頼。両親がサプライズで依頼に来るケースも多く、「諦めていた子どもの頃の映像を、晴れの舞台で流すことができた」「亡くなった祖父母の動く姿を、改めて見ることができて涙が止まらなかった」といった感動の声が数多く寄せられているそうです。
■手遅れになる前に・・・大切な思い出を残していく方法
写真とは違い、「声」や「動き」まで記録されているビデオテープは、その時代の空気感まで蘇らせてくれるタイムカプセルです。
そのタイムカプセルが開かなくなってしまう前に、できることは一つ。
DVDやブルーレイ、あるいはパソコンやスマートフォンでいつでも見られるデータに変換しておくことです。
「面倒だから、また今度…」と思っているうちに、テープの劣化は進み、再生デッキは市場から姿を消していきます。
実家の押入れの奥で、あなたの思い出が静かに助けを求めているかもしれません。手遅れになって後悔する前に、まずは一本、その状態を確かめてみてはいかがでしょうか。