直島カフェの先駆け!?アートの島で見つけた"心と体が喜ぶ"古民家カフェ「あいすなお」の物語

ライブ5時 いまドキッ!

岡山や香川からフェリーに乗れば、あっという間に到着するアートの聖地・直島。



現代アートのイメージが強いこの島ですが、その魅力は果たしてアートだけなのでしょうか?

今回は、アート鑑賞の合間にぜひ立ち寄りたい、直島の食と人の温かさに触れられる特別な場所をご紹介します。

 

■アートだけじゃない。島の日常に溶け込む風景




宮浦港から本村エリアへ。



古い町並みを歩いていると、思わず二度見してしまうようなユニークな光景に出会います。



壁一面に貝殻が埋め込まれた、黒電話のオブジェがある電話ボックス。



手書きの文字が愛らしい、レトロなバス停。

これらは全て、島全体を美術館に見立てる「家プロジェクト」のアート作品の一部。アートが特別なものではなく、島の風景として自然に溶け込んでいる。これこそが直島の面白さなのかもしれません。
そんな心温まる散策の先に、今回のお目当ての場所がありました。

 

■直島カフェの歴史がここに。古民家カフェ「あいすなお」へ




のれんをくぐると、「ただいま」と言いたくなるような、懐かしい畳の空間が広がります。



そこは、直島のカフェ文化の先駆けともいわれる「玄米心食 あいすなお」。



店主の方によると、オープンしたのは2006年。当時はこのエリアにカフェがほとんどなく、今ではこのエリアで一番の老舗なのだとか。

古き良き日本の家屋でいただく、体に優しい食事。その噂を聞きつけ、多くの人がこの店の扉を開きます。




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「ご縁だった」東京から直島へ。店主が紡ぐ移住の物語

 


「実は8年前に、東京から移住してきたんです」と、朗らかに話す店主の山本さん。


 
もともとこのカフェで住み込みで働いていた経験があり、東京に戻ってからも直島での穏やかな暮らしが忘れられなかったと言います。そんな折、前オーナーがお店の跡継ぎを探しているという話を耳に。



料理人であるご主人と「これはご縁だ」と意気投合し、思い切って直島への移住を決意したそうです。

 
山本さんのように、島の魅力に惹かれて移り住む人は年々増えています。



2015年には年間40人ほどだった移住者は、2023年には134人にまで増加。
新しいことに挑戦する移住者が増えたことで、島全体が活気づいていると山本さんは感じています。

 

■一口でわかる丁寧な仕事。体に染みわたる絶品玄米ランチ




お待ちかねの「あいすなおセット」が運ばれてきました。
色とりどりの小鉢が並び、見ただけで健康になれそうな美しい定食です。



まずいただくのは、玄米ごはん。一口含むと、そのモチモチとした食感に驚かされます。まるでもち米のよう。
これは、玄米を炊いてから3日間じっくり保温・熟成させることで生まれる、独特の食感と旨味なのだとか。
 

 
そして、お味噌汁は「呉汁(ごじる)」。
すり潰した大豆が入った、とろりとして優しい味わいです。これは、近所のおばあちゃんから直伝のレシピを、今も大切に守り続けている味。



驚いたのは、野菜の仕入れについて。実は直島は、高松港よりも岡山県の宇野港の方が近く、野菜などの多くは岡山から仕入れているとのこと。





この日いただいた空心菜の炒め物も、シャキシャキとした食感がたまらない岡山産でした。
一口ひとくちに、作り手の丁寧な仕事と、食材への愛情が感じられます。

 
「あいすなお」は、ただ美味しいランチが食べられるだけの場所ではありませんでした。そこには、店主の直島への愛、人との縁を大切にする心、そして島の未来を担う新しい世代の活気が満ち溢れていました。
 
アートを巡る旅も素晴らしいですが、たまにはこんな風に、島の食と人に触れる時間を持ってみてはいかがでしょうか。

 

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