紙上参加を含む9名の委員が出席。
TBSを中心としたネット番組のドラマやバラエティ、その他番組について、多面的な意見交換が行われた。
1 ドラマ
▽「19番目のカルテ」総合診療医を題材にした社会的意義のあるテーマが高く評価された。松本潤さん演じる医師が患者に寄り添う姿勢に「AI時代における理想の医師像を感じた」との声があった。静かな語り口や丁寧な演出も好評。一方で「淡々としていて飽きやすい」「やや理想的すぎる」との指摘もあったが、次回作への期待も寄せられた。
▽「DOPE 麻薬取締部特捜課」近未来を舞台に特殊能力を持つ捜査官が麻薬犯罪に挑むSFアクション。映像や設定の新しさを評価する意見がある一方、「登場人物の話し方や感情の変化が唐突・おおげさ」など設定に共感しづらいとの声もあった。被害者を守る姿勢や“居場所をつくる”というテーマが印象的で、エンターテインメントの中に社会的メッセージを感じたとの意見もあった。
2 バラエティ、その他番組
▽「坂上&指原のつぶれない店(10月5日放送)」売上回復の要因を探る企画で、定点カメラを用いていたが、映像の意義が感じにくく興味が湧かなかった。厨房の様子など普段見られない部分は面白かったが、効率化の背景など“なぜ”を掘り下げてほしかったとの意見があった。
▽「日曜日の初耳学」林修さんの丁寧な準備と独自の切り口によるインタビューが印象的で、俳優の内面や成長がよく伝わる番組だと感じた。吉沢亮さんの出演回では、映画「国宝」に関連した話題もあり、役への向き合い方や演技に対する考え方が深く語られ、とても興味深かった。
▽「人生最高レストラン」加藤浩次さんの爽やかな進行と相手の良さを自然に引き出すトークが印象的。食事を通じて俳優の素顔や生き方が伝わり人間味あふれる内容に仕上がっており、TBSが力を入れて制作している番組だと感じた。
▽「マツコの知らない世界(8月12日放送)」は「夏のアニメ聖地巡礼旅!」がテーマ。シリーズ化されている点が良く、最新のアニメ聖地の動向が知れて興味深かった。特に地域とのつながりや観光効果など、アニメを通じた地域活性化に関する視点が興味深く、番組の意義を改めて感じた。
▽「所さんお届けモノです!(9月27日放送)」8年半の歴史を締めくくる内容で、過去に登場した店を再訪し、店主の思いやものづくりの精神が次世代に受け継がれる様子が感動的だった。所ジョージさんの感謝の言葉や涙ぐむ出演者の姿に、番組の温かさが伝わった。
▽「世の中なんでもHOWマッチ いくらかわかる金?」は、特定企業のPRのような構成で、気持ちよく見られなかったとの意見があった。出演者が飲食を楽しみながら値段を当てるだけの単調な内容で、会話や振る舞いに下品さを感じる場面も見られた。前番組「ジョブチューン」と続けて企業紹介が続く構成にも偏りを指摘する声があった。また、バラエティ番組全体として出演者の固定化や高齢化が進み、内容の変化が乏しい点も課題として挙げられた。
などの意見があった。