海華楼

今回、石原Dと平野アナが訪れたのは、岡山市北区表町の「海華楼(かいかろう)」。シンフォニービルのちょうど裏手にある中華の名店です。石原Dは近くの空き店舗を指し、実は岡山のラーメン原点のひとつがここにあったと言います。

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石原D:
元々ここに白い壁の中華料理屋さんがあって、岡山ラーメン源流のひとつなんです。実は、報道部だった僕らが出前をとった思い出の味なんですよ。日本におけるラーメン発達の歴史の1ページを飾っている味です。

海華楼の中へ入ると、3代目の鄭 健剛(てい けんごう)さんが迎えてくれました。

石原D:
鄭さんは、社長になって何年目ぐらいになるんですか?
鄭さん:
25年ぐらいです。
石原D:
鄭さんは、横浜の中華街と縁が深いんでしょ?
鄭さん:
祖父が広東から日本に来たとき、最初は横浜だったんです。

大正14年。岡山で初となる中華料理店「廣珍軒」が北区表町にでき、創業者の「岡山にも本格的な味を」という招きにより、横浜から来たのが鄭さんのお祖父さん兄弟でした。その味は、岡山の人たちに受け入れられ、鄭さんは昭和39年に海華楼を構えて独立しました。 それから半世紀の間、3代目の健剛さんに引き継がれながらも、岡山における中華の源流を守っています。

石原D:
ここのお店でラーメンを食べるときは、歴史を食べている感覚で食べてもらうといい。

さっそく、石原さんおすすめの一杯である生碼湯麺(サンマータンメン)、いわゆるもやしそばを作っていただきます。

石原D:
広東料理らしい、きれいなスープなんですよ!

スープの味付けのベースは醤油。ネギ油と鶏油の2種類の油を使うのも、初代が中国から持ち込んだ伝統の技です。
中華鍋でたっぷりの野菜を炒めていきます。見るからにいきのいい野菜。生碼湯麺(サンマータンメン)のサンマーは「いきがいい」という意味。まさにここが生碼湯麺の所以です。

石原D:
麺は中華鍋でゆがくから対流がいいんです。麺が泳いで、ピシッと茹で上がる。
平野アナ:
中華鍋ってそんな秘密があるんですね!

どんぶりにスープと麺を入れ、熱々の野菜をたっぷりのせて完成。岡山の中華の源流ともいえる生碼湯麺です。スープの深~い褐色と、野菜のフレッシュな色の調和がお見事!

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平野アナ:
うわ~。きれいですね。美味しそう。さっきまで熱々の野菜が!麺より多い?
石原D:
ほら、早く食べないと!
平野アナ:
いただきま~す。ん~!すんごいシャキシャキいってる。うふふふ!
石原D:
食べていくと、あんかけがだんだん溶けていくのよ。
平野アナ:
どんどん味わいが増して、最後までずっと楽しめる。
石原D:
生碼湯麺は、もともとまかないとして作られていたって聞いたことがあるんですけど。
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忙しい調理場では麺だと伸びてしまうため、ご飯に具材をかけて食べていたかもしれない、と鄭さん。味わっていた平野アナも「あ~、ご飯にも合う!」と納得します。

石原D:
海華楼さんの厨房には、横浜中華街のテイストが生きてるのよ。大正時代からず~っとここで守っている。僕はそこに感動するわけです。鄭さんは、華僑の流れを汲む家に生まれ、どんなお気持ちでお仕事をされていますか?
鄭さん:
戦争時代にうちの祖父母や父が岡山の人たちから助けていただいた恩返しとしてできることは、やっぱり一生懸命、おいしい料理を作ることかなと。岡山の人たちからもらった優しさを料理でお返しできればと思っています。

「海華楼」の中に、横浜があって大正時代があって戦後があって今がある。その歴史は味の中にも入っています。みなさんも、ぜひ岡山における中華の源流を食べに行ってみてください。

店舗情報

店舗名
海華楼
営業時間
11:00~14:30 / 17:00~21:30
定休日
火曜日
駐車場
なし
住所
岡山県岡山市北区表町1-4-1
交通手段
路面電車「城下」電停から徒歩3分
お問い合わせ
086-224-2823

地図