三方らーめん おお田

今回から「石原Dのラーメン放浪記」は、石原Dと渡壁さんのコンビでお送りすることになりました。その1回目、ラーメン放浪記通算11軒目は、岡山市内一の激戦区と言われるエリアにあるお店です。

岡山市北区桑田町のその激戦区には、ラーメン屋さん8軒、中華料理屋さん1軒の計9店舗が軒を連ねます。その中でも和食テイストで人気のあるお店におじゃましました。

そのラーメン屋さんは、「三方らーめん おお田」です。

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店主の太田さんは和食の料理人として経験を積み、このラーメン店を開業しました。ここで開業して7年になるんだそうです。

さっそくお出汁をとる寸胴の中身を拝見します。鳥一羽まるごと、すなわち丸ドリ、鶏ガラ、モミジなどの手羽先系、と入っているのは鶏オンリー。豚骨は入っていません。

石原D:
鶏ガラって難しいよね。揺らすだけでも味が変わる。
太田さん:
あんまり刺激はダメですね。温度も一定にしておかないとあんまり良くない。

白濁した豚骨スープと違って、鶏のスープは透明感が売り。鶏の出汁も炊き込み続けると濁るので、一度の仕込みで一番出汁しか使えません。
続いてカエシの仕込みです。魚介の出汁を流し込んだそこには、チャーシューの煮汁。そして角が立った醤油から、甘口醤油まで、三種類の醤油が合わせられます。この後、風味を損なわない温度でじっくり温めて、カエシ全体に一体感を出すのです。

それでは一杯、今回は醤油ラーメンを作っていただきました。

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まずスープです。さきほどのカエシに続いて、鶏を炊き込んだ時に出る鶏油(チーユ)を合わせます。
そして一番出汁しか使えない貴重な鶏のお出汁。麺の太さを示す番手は20番。
20とは、3cmの生地から20本の麺をとることを意味します。岡山の標準は22番。やや太めのストレート麺。醤油ラーメンの完成です。

石原D:
一言でいうなら、やさしく包まれるような味です。スープをまず飲んでみてください。
渡壁:
あ、ほんと。包まれる味。
石原D:
口の中で柔らかい雪がスーっとこう消えていくような、そんな感じ。

麺は岡山の定番のストレート麺のはずなんだけど、茹で上がりが全然違うと石原D。そこへ太田さんが「かん水を抜いてもらってるんですよ。特注です」と一言。

石原D:
それでわかった。雑味が残らない。これは知らなかった。

かん水とは、粘りを出すために入れる成分で、それを入れるとコシは出るけれども少し酸いような苦いような味が残るんだそうです。

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ここのラーメンは、丼の中が一体化しているというか、でもそれぞれが主張しているけど主張が強くない。落ち着いた、安心してみられるホームドラマのようと石原D。

醤油ラーメンと相性抜群なのがこちらのサバ寿司。

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食感は軽く女性でもラーメンとセットで十分楽しめる一品だということです。

時期を見てちょっとずつまた新しいメニューを増やしていきたい、豚だけではなくカモとか使ったラーメンもちょっと作ってみたいと太田さん。

石原D:
太田さんは、岡山では多分一番最初に和食系のラーメンを開発して、チャーシューじゃなくて鶏がのったラーメンを定番にした人なんですよ。そういった意味で、岡山の一つのパイオニアでもあるんですよね。だから彼のチャレンジを今後とも見守っていきたいなと思いますし、本当に頑張って欲しいなと思ってます。

新しいメニューにも期待しましょう。

店舗情報

店舗名
三方らーめん おお田
営業時間
火~土 11:00~15:00 / 18:00~22:00
日・祝 11:00~16:00 / 17:00~20:00
定休日
月曜日
駐車場
なし
住所
岡山県岡山市北区下石井2-9-54
交通手段
JR岡山駅東口 徒歩約14分
お問い合わせ
086-232-5558

地図