1月27日(水)よる8:00~8:57

病への差別 終わらない闘い ハンセン病療養所の90年

「病めるごみとして島に捨てられた」。
ハンセン病を患い国の政策で強制隔離された男性の言葉です。
1930年、瀬戸内市の長島に全国初の国立療養所として開園した長島愛生園。本土からわずか30メートルほどの海峡に1987年まで橋は架かっておらず、「隔ての島」と呼ばれていました。

ハンセン病の特効薬ができ、治る病気になっても国は医学的根拠のない隔離政策を続け、偏見・差別が助長されました。17年に及んだ架橋運動や国の責任を問う国賠訴訟。入所者は人間としての尊厳を取り戻すため闘い続けました。

昨年、開園90周年を迎えた愛生園。最も多い時で2000人以上いた入所者は120人あまりとなりました。「無念な思いで死んでいった人たちを忘れてはならない」。感染症にかかった人や医療従事者が差別を受ける事態が繰り返されている今、改めて目を向けなければならない90年の歴史です。