11月7日(水) よる7:00~7:54

祭りは消えるのか?~伝統を継ぐ者たち~

10月。瀬戸内の各地も秋祭りに沸いた。
日本人のルーツは農耕民族。秋祭りは作物の収穫を祝う為に行われるようになった。村人たちも農作業がひと段落し心置きなく祭りに取り組むことができた。
しかし、製造業が主体となり少子高齢化が進む現代の日本において、農耕民族時代のしきたりが残る秋祭りを実施するには、当然多くの困難を伴う。地域の伝統を守る為に奔走する現代の祭り人達に迫る。
香川県東かがわ市で300年以上続く白鳥神社秋祭りでは、氏子地区を5つに割って、それぞれの地区が独自の獅子舞を奉納する。ひときわ目を引くのが、二支部地区が奉納する「虎頭の舞」だ。元禄時代に流行した近松門左衛門・作の「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の影響を受け、少年が虎を退治するというストーリー性のある神事だ。
15年前。神事が形骸化し、地区の人々の心が虎獅子から離れるのを危惧した保存会のメンバーは、長らく途絶えていた或るしきたりを復活させた。150軒近くもある地区の全ての民家の庭先で舞を奉納したのだ。
この取り組みを毎年続けたことで、虎頭の舞を見直す機運が高まり、地区の若者たちがすすんで祭りに参加を申し出るようになった。


写真=白鳥神社秋祭り「虎頭の舞」