8月14日(水)よる8:00~8:55

語り継ぐ戦争証言2019

1945年、日本の主要都市は米軍による空襲で壊滅的なダメージを受けていた。私たちは開局以来、空襲での経験を収録してきた。この番組では、こうした日本の被害者からの証言に加え、もう一方の当事者であるアメリカ側、とくにB-29に搭乗した元・米兵たちの証言を交え、第2次大戦とは何だったのかを見つめ直す。
B-29が行った都市空襲は一般市民を殺戮する非人道的な行為。しかし、彼らの多くは、90代半ばを迎えた今も「戦争を早期に終わらせるためにはやむをえなかった」と主張する。と同時に「人殺しなどしたくなかった」と語り、複雑な胸中を覗かせた。
また岡山空襲ではB-29が1機墜落している。番組では研究者とともに、墜落した山の周辺を取材。さらにアメリカでは、墜落する機体を見たという別機の搭乗員の目撃談を発掘。戦後、アメリカの国立墓地に作られた米兵たちの墓標もつきとめた。
戦争は国同士が行うものだが、最前線で相対するのは一人の人間同士。平時であれば握手を交わせたであろう日本人とアメリカ人が殺し合わなければならなかった不条理に、証言から思いを馳せる。

写真=墜落したB-29米兵の墓標と証言者・岡山市南区