海のごちそう守り隊 活動報告

活動報告 2日目

2日目のスタートは海岸でのゴミ拾いから!

2日目のスタートは海岸でのゴミ拾いから!

海の魚が減っている原因のひとつ「海ゴミ」。
2日目のスタートは民宿の目の前の海岸を歩きながらのゴミ拾いです。
どんなゴミが、どれだけ落ちているのか、みんなで調査しました。

海岸には、どんなゴミが落ちているかな?

たった20分間で30リットルのゴミ袋約8袋分のゴミを回収できました。
ゴミのほとんどは、人間の生活から出たゴミです。
潮の流れの関係で、瀬戸内海には、海外から流れてくるゴミはほとんど入ってこないそうです。
これらのゴミのほとんどは、この瀬戸内海沿岸や瀬戸内海につながる川沿いに暮らす人々の捨てたゴミということになります。
ペットボトルやプラスチック製品、食品トレーやビニール袋などの生活用品のほか、釣りざおの部品やガラス、よくわからない金属のかたまりなどさわると危ない物、花火やタバコの燃えかす、発砲スチロールの箱、木や竹もありました。
このような海ゴミをエサとまちがって食べたり、海ゴミとぶつかってケガをしたりすることで魚が死んでいることを、昨日学んでいたみんなは、あらためて「ゴミはきちんと正しく捨てよう」と決心。
さらに、ほかにも自分たちにできることはないだろうかと考えるようになりました。

つくり育てる漁業!「栽培漁業」を学ぼう

つくり育てる漁業!「栽培漁業」を学ぼう

バスで岡山県農林水産総合センター水産研究所へ。
瀬戸内海の魚を増やすための調査研究や、卵から稚魚・稚貝になるまで育てて放流する「栽培漁業」などに取り組んでいます。
施設を見学しながら、岡山の未来の漁業や課題について考えました。

「栽培漁業」ってなんだろう?

豊かな海や川の恵みを回復させようとさまざまな取り組みや調査研究を進めている水産研究所。
中でも、聞きなれない「栽培漁業」について、副所長の林浩志さんに教えてもらいました。魚や貝にとって最も生きぬくことが難しい時期、それが「卵から稚魚・稚貝まで」の時期だそうです。
「卵から稚魚・稚貝まで」の時期を人工的に育てて、ある程度大きくなったら自然の海に放流する。これが「栽培漁業」です。
死ぬ確率が下がるので数を増やすことが可能になるし、養殖とは違いある程度まで成長したら海に返すので、海の食物連鎖の手助けにもなるそうです。
このセンターで「栽培漁業」に取り組んでいるのは、ガザミやヨシエビ、モクズガニなど。
林さんの案内でセンター内を見学したみんなは、巨大な水そうや、顕微鏡でやっと見える小さな小さな魚貝の赤ちゃんを見て、海の生命の多様さや不思議さを知りました。
研究のおもしろさも発見できました。

なぜ「栽培漁業」が行われるようになったの?

岡山県で栽培漁業が行われるようになった理由は、以前、魚や貝をとり過ぎたために漁獲量(とれる量)が激しく減ってしまったから。
このままでは魚がいなくなってしまうと反省した岡山県は、「とるだけの漁業」から「つくり育てる漁業」に取り組み方を変えました。
現在、「岡山ばらずし」の具材では、高級食材ヨシエビを栽培漁業で育てています。
以前はサワラの栽培漁業にも取り組んでいましたが、漁獲量が増えたので一旦中止。
受精卵を作り、放流する形に変更し、海の生産力で、サワラの漁獲量の増加につなげました。
このように、栽培漁業は海の魚の量を増やすことも目的なので、食べることが目的の養しょくとは考え方が大きく異なります。
今後も、魚や貝などの水産資源がなくならないよう、水産研究所の調査研究は続きます。
お話が終わった後も、林さんを囲んでずっと質問していたみんな。
魚や海のことを「もっと知りたい!」という好奇心のつばさをぐんぐんと広げていました。

瀬戸内海を大満喫2!砂浜とシーフードカレー!

瀬戸内海を大満喫2!砂浜とシーフードカレー!

待ちに待ったランチタイム!最後の海のごちそうは、瀬戸内のシーフードを使ったスペシャルカレーです。
食後には、広々とした砂浜をかけ回り、波とふれあい、海辺の楽しい思い出をつくりました。

瀬戸内海のシーフードはカレーにもオススメ!

岡山県水産研究所から、スグ近くの西脇海岸に移動したみんなは、海辺のグランピング施設「ベースビーチ」でランチをいただきました。
メニューは、北海道出身の店長・戸松俊介さんが「海のごちそう守り隊」のみんなのために、特別に作ってくれたシーフード入りのスープカレー。
注目の具材は、瀬戸内海でとれたベカと、魚のすり身で作ったハンバーグです。
特に、ハンバーグの具材のすり身は、タイやヒラメなどメジャーな魚ではないためにスーパーでは売られず捨てられることもある魚。
でも、実は地元や漁師さんの間では、おいしく食べられている魚なので、骨など食べられない部分をていねいに取り除き、ネギやショウガをたっぷり使って魚介のクセやにおいを消すなど手間をかけてくれたのだそうです。
海の幸をおいしく食べるには、いろんなアイデアや調理の工夫があることを学んだみんな。
お腹がいっぱいになると元気100倍!
砂浜を走ったり、波打ちぎわで遊んだり、楽しい時間を過ごしました。

岡山県の漁業について知ろう! 牛窓町漁業協同組合を見学

岡山県の漁業について知ろう!牛窓町漁業協同組合を見学

2日目最後の学習は、牛窓町漁業協同組合へ。
岡山県の漁業や漁法、魚の「旬」について学び、瀬戸内海にはおいしい魚がいっぱいいること、いろんな食べ方があることを確認。
さらに、「岡山ばらずし」の具材として使われるタコやママカリを自分の目で観察しました!

岡山県の漁業について知ろう!

講師は、岡山県水産課の主任・羽山まどかさん。
県内を流れる3大河川から栄養豊富な水が流れ込むことで岡山の海が豊かになっていることを教えてもらいました。
続いて、「岡山ばらずし」の具材に使われる魚貝類が、どんな漁法でとられているかを学びました。
イカやエビは定置網や底びき網、タコはつぼ網、サワラは流し網など、初めて聞く漁法に興味しんしん。
また、魚には一番おいしい季節「旬」があることを知り、「岡山ばらずし」に入っている具材の旬についても考えました。
「いろんな魚の名前や味を覚えて、いつか自分で料理をしてほしい」と羽山さん。
みんなも、もっと魚のことを知りたいとキラキラと目を輝かせていました。

漁師が考える海の問題点とは?

牛窓町漁業協同組合、組合長の柴田悟さんからは、漁に実際に出て感じている海の問題点を教えてもらいました。
海の栄養が減ったことでアナゴの子どもが育たないため、ほとんどアナゴがとれないこと、岡山を代表する魚、ママカリもめっきり量が減っていることなど、ここ10年で目に見えて獲れる量が減った魚があることを教えてくれました。
また、「岡山ばらずし」の具材に使われるママカリや出荷直前のマダコのほか、高級魚の大きなマナガツオも見せてくれました。
「魚を増やすためには、まず、みんなが魚を好きになって、もっともっと食べてほしい」と話してくれた柴田さん。
いけすの中まで自由にのぞかせてもらったみんなはワクワクドキドキ。
「これは何の魚ですか」「どうやって食べるんですか」と質問して、魚への興味を深めるとともに、実際にほとんど獲れなくなった魚がいるということを肌で感じました。
2日間の体験学習を終えた「海のごちそう守り隊」。
いよいよばらずしのオリジナルパッケージ作りに挑戦です。