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性被害は実の娘や姪に・・・「小児性愛」自覚しながら教壇に立ち続けた男性【報道特集】

学校や保育園で、子どもが受ける深刻な性被害。「小児性愛」を自覚しながらも40年近く教壇に立ち続けた男性を取材した。教育現場での加害行為は「一切ない」と話す男性だが、実の娘からは、男性から受けた性被害の実態が語られた。
■「小児性愛」を自覚しながら教壇に立ち続けた男性 現場での加害行為は「一切ない」 学校や保育園での幼い子供への性被害は、どうすれば無くせるのか。今回、小児性愛障害を自覚しながらも、40年近くにわたり教壇に立ち続けた男性が取材に応じた。 妻との間に2人の子どもをもうけ、神戸市の小学校で、校長まで勤め上げたという男性。今回、初めてカメラの前で、こう告白した。 元教員の男性:小さい子どもを大事にするというか、好きになるとか。小児性愛、そんなんかもしれないし・・・。 思春期の頃から複数回にわたり、幼い少女へのわいせつ行為に及んだという。 元教員の男性:中学3年の頃、同じクラスの女の子から誘われて、映画見よって一緒に行ったことがあるんです。その時に小学生ぐらいの女の子の横に行って、ちょっと下腹部を触れてみるとか。小さい女の子に手を出すというのは、やっぱり、(相手が)抵抗しにくいというのがあるんでしょうね。大きい人には絶対そんなことしませんから。 男性はその後、教員となり、およそ40年間校長まで勤め上げた。だが、教育現場での加害行為は“一切無かった”と強調した。 元教員の男性:子どもたちに言っていることが、人の嫌がることをするなと。ですから、かなり長い年月勤めましたが、教育現場でそういうことをした覚えはないです。教育愛というか、それに燃えてましたから。 ■「異常性愛者だと思う」被害は実の娘や姪に・・・男性の素顔とは しかし、その間、男性からの性被害を受けていたという女性がいる。男性の実の娘の、たかこさんだ。 たかこさん:4歳か5歳ぐらいのときに、寝ていた私の横に父親が入ってきて、私の下着の中に手を入れるという行為があったのを覚えています。ものすごく恐ろしいことをされているという。全く、身体が動かないんです。硬直して金縛りにあったようになって、指一本動かせなかったです。 性被害はその後、13歳まで続いた。被害は、姪にまで及んでいたという。 たかこさん:異常性愛者だと思いますよ。家に小さな女の子の裸の写真を飾っていましたもん。5歳ぐらいの女の子が好きという話も聞いたことがあります。 しばらく絶縁状態にあった父親。今回、父親が取材を受けることになったのは、「自分が犯した罪の重さに、向き合ってほしい」とたかこさんが強く促したからだ。 学校での加害行為は、本当に無かったのか。たかこさんは、今でも疑念を強く抱いている。 たかこさん:加害者は、私が小さいときから、倫理的じゃないというか、道に外れたことを平気でする人だったので。勤務校の子どもに何かしたのではないか、という心配はずっとあります。 たかこさんは、一時は自傷行為が止められず、今も、うつ病やアルコール依存症などの後遺症に、苦しみ続けている。 たかこさん:虐待を受けた体験というのは、冷凍保存されると言いますよね。で、何年経ってもそのままなんですよ。心の中に冷凍保存されたまま。加害者にしてみたら、それは色褪せていくんですよね。加害したことは。苦しみをどれだけ分かっているのかという、それを聞きたいですね。 ■新法案成立でわいせつ教員への免許再交付拒否が可能に 残された課題は 教育現場における性被害をめぐって、今年5月、新たな法案が成立した。教員による子供へのわいせつ行為を防ぐことを目指した“わいせつ教員対策法”。教員免許は、懲戒免職などで失効しても3年経てば再交付が可能だ。つまり教育現場に復帰することができるが、この法律により、各自治体の教育委員会の判断で再交付を拒否できるようになった。 しかし、課題も残されている。 保護者:元教諭が、今どこで何をしているのかということが非常に気になって。その後ずっとネットで名前を検索するようなことが続いたんですけども。ある日、他県にある放課後デイサービスのHPに、その名前を見つけまして・・・。 放課後等デイサービスとは、障害がある子どもたちが放課後や休日などに利用できる施設。複数の児童へのわいせつ行為があったとして、懲戒免職となった元教員は、ここに転職していたのだ。 さらにHPには、懲戒免職で失効したはずの教員免許が、セールスポイントのように記されていた。 保護者:放課後デイサービスは、自分が被害を受けたことを親に伝える、身近な大人に伝えることが、より難しいお子さんが多いのかなと想像しますと。どこまでも子どもと関わる職場に行きたいのだなと思って、怒りさえ感じました。 150人を超える小児性愛障害の治療にあたってきた斉藤章佳氏。このうち、およそ3割が、子どもと直接関わる仕事に就いていたと明かす。 精神保健福祉士 斉藤章佳氏:学校の教員然り、塾の講師、スポーツインストラクター、保育士、幼稚園教諭。ほとんどの人は最初、やっぱり子どもが好きだから、子どもに関わる仕事を選ぶ。その中に子どもと性的に接触をしたいという気も入っているわけです。やはり、一度子どもに対して加害行為を行った者が、子どもに関わる職業を選択できないようにするシステムをどのように作っていくかというのは、これからの大きな課題かなと思います。 ■“無犯罪証明”制度の創設へ向けて 進む議論と導入へのハードル 新たな制度の創設に向けた動きも、国会で始まっている。 制度の創設に向けて活動している、NPO法人の前田晃平さん。自民党の国会議員事務所を訪問し、ある制度についての議論を進める。 NPO法人「フローレンス」 前田晃平氏:今回は、以前からもご相談させていただいている『日本版DBS』をいかに実現していくかということでご相談にあがりました。 『DBS』とは、“無犯罪証明書”、つまり犯罪をしていないことを証明する書類を発行するイギリスの公的機関のことだ。イギリスでは、この書類がなければ18歳未満の子どもに1日2時間以上接する職業に就くことができない。窃盗や詐欺といった犯罪も対象となる。 現在、ドイツやスウェーデンなどでも同様の取り組みが行われていて、日本でも、導入に向けて超党派の議員連盟が立ち上がるなど、本格的な議論がスタートしている。 しかし、導入に向けては、ハードルも多い。 加害者の犯歴に関する個人情報保護の問題。そして、『職業選択の自由』との兼ね合いだ。犯歴のある人がむやみに社会から排除されないよう配慮すべきとの声もあがっている。そのため、日本版DBSでは、対象を性犯罪に限る方向で議論が進められているという。 NPO法人「フローレンス」 前田晃平氏:本当に守らなければいけないものは何なのか。確かに法制度を変えることによって生まれるリスクは間違いなくあるのは認識できるんですが、やっぱり私たちは子どもを守らないといけない。そのために職業選択の自由を大切にしながらも、その法制度でもって適切な運用ができればいいと思います。 (報道特集11月20日放送より抜粋・編集)※情報提供は番組ホームページへ(27日09:00)

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