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「私の子どもを返して」自衛隊パワハラで告発相次ぐ 母親の悲痛な叫びとは【調査報道23時】

 news23で以前放送した自衛隊の壮絶なパワハラ問題。放送後、現役自衛官やその家族らからパワハラ被害の訴えが22件寄せられました。当事者に話を聞きました。
news23が報じた航空自衛隊のパワハラ問題。 ■ボイスレコーダーの音声 上官:「死ねや、殺したる。鼻の骨も頭蓋骨も折るよ。全部折る、お前の骨」 上官が部下に浴びせた壮絶な暴言の数々が録音されていた。ところが上官は・・・。 ■村瀬健介キャスターが上官に取材 村瀬キャスター:〇〇さんでいらっしゃいますか。上官:はい。村瀬キャスター:「殺すよ」とか「自衛隊を辞めろ」とか暴言も吐いていらっしゃいますけれども。上官:いえいえ、していませんよ。 パワハラ問題が内部で放置され、被害を訴えた側だけが退職に追い込まれた。被害者はそう訴える。 放送後、TBSの情報提供サイト「インサイダーズ」に自衛隊内部から相次いでパワハラ被害の訴えが寄せられた。 ■次々と寄せられた悲痛な叫び 現役自衛官:「私もパワハラを受けており、基地内宿舎において無意味に殴られたり、宴会の席でビールジョッキで陰部をすすぎ、それを飲まされたりしておりました」 現役自衛官の親:「わが子のみ理不尽な命令が出され、電話などで『死にたい』と私に漏らすことが増え、以前のような明るさは一切消え『うつ病』と診断されました」 自衛隊員や家族らからのパワハラ被害の訴えは22件に上った。 ■現役自衛官が証言なぜパワハラ蔓延? news23の放送を見て連絡をくれた東日本で勤務する現役の20代の自衛官。 パワハラ被害を訴える現役自衛官:周りがいる中でかなり大きな声で罵倒というのは多々ありました。机をバンバンバンバン叩いて圧をかけてきたり(机をバン、と叩いて)「聞かれたことにだけ答えろ」みたいな。 2年前、上官から目を付けられるようになったという男性。次第に精神的に追い詰められ、記憶が飛ぶようになったという。 現役自衛官:仕事が終わって部屋に帰ってそのままお風呂に入るんですけど、気づいたらベッドの上にいて、ちょっとした記憶の乖離が起き始めた。最後の方になると、それこそスマホで楽な死に方ねえかなって探していたのは記憶しているので。 男性は「うつ病」と診断され一時休職。しかし、上官への処分は無かったという。なぜ自衛隊でパワハラが蔓延するのか。 現役自衛官:主に階級社会であるというところがかなり大きいと思うんです。当然上の人たちというのは自分の評価もありますから、あまり大事にはしたくないわけですよね。なのでできるだけ穏便に穏便にと。何か相談したとしても「おまえの勘違いじゃないのか」。握り潰しというのはざらにある環境だからだと思います 上官の保身のため、パワハラが握り潰される。自衛隊にはそんな体質があると男性は感じている。 ■「私の子どもを返して」 自殺した自衛隊員もいる。 陸上自衛隊に勤務していた川島拓巳さん(当時19歳)は、パワハラを受けていると母親に話していた。 川上拓巳さんの母親 五月さん:「お前なんか死んでしまえ」とか「早く辞めろ」とか。蹴飛ばされたりもしたという話も聞きました 拓巳さんは2012年、職場で自ら命を絶った。亡くなったその日、母親の五月さんが自衛隊側と交わした音声が残っている。 ■ボイスレコーダーの音声 五月さん:私の子どもを返して下さい。返して下さい。まだ成人式も迎えていないんですよ。親より先に逝く道を選ばせたのはあなた方ですよ。自衛隊:先ほどのいじめについても、もう一度全隊員を交えて事実確認をします。五月さん:3月の時点で言ったじゃないですか。6月に連れて帰ればよかったんだ・・・。あの時になんで帰らせてくれなかったんですか。 五月さんは、自殺の4か月前に拓巳さんを家に連れて帰ろうとしていた。しかし、自衛隊側はそれを許さなかった。その理由は・・・。 自衛隊:我々組織として、川島くんの事を思えば、このまま帰すわけにはいかなかったという判断をして、最終的に就職先も探して、見つけてあげて・・・ 一方で五月さんは、自衛隊が保身のため事を荒立てないよう拓巳さんを帰さなかったと感じている。 五月さん:全てはこの内部で起きていることなんです。隠蔽工作をせずに全て公にしてください。 ■7月 札幌地裁に向かう五月さん 五月さんは今、国を相手取り、約1億円の損害賠償を求める訴訟を起こしているが、自衛隊側は「いじめはなかった」として争っている。 五月さん:弱いからとか根性なしだとか、そんな風に思わないで欲しいんですよ。SOSをしっかりくみ取っていただいて、うちの子みたいに自殺するようなことにならないように、助け出してあげて欲しい。(04日23:55)

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