「変わる生活」

コロナの状況でも、世界は動いています。長く休んでいましたがヨーロッパでの取材再開をしたいのでと、日本のテレビ局から申し出を受けた。日本から取材チームの派遣が、隔離制限の現状では不可能ですので、現地チームの依頼になりますとのことだったが、10人ばかりの専門技師のチームが構成されていた。始まってみて驚いた、ディレクターは東京にいて、打ち合わせも現地マネージャーが携帯のテレビ電話を下げて来て話し合い、初対面挨拶もテレビ画面で「こんにちは」である。撮影当日は、テレビ電話が繋がっていて、「これでどうですか」「ここをどうしましょう」「もう少しこれが足りない」パリと東京、取材の間もズーッと繋がっているのである。1分幾らの通話料、高く付くから電話は短く切り上げてと暮らして来たわれわれ世代には、目を丸くするばかり。光ファイバー通信で繋がっているから、日本から掛けるとまだ通信料を取られるが、こちらから掛けると今はもう世界の他の国からは無料なんですと教えられる。東京からドローンが飛んできて、操作されて動いているような時代で、これではパリに高い人件費や経費をかけて駐在事務所も維持する必要もない、だんだん縮小、畳んで減少するはずだと思った。

2020年11月10日 赤木 曠児郎

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