岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2020年8月10日

「マスク」

7~8月はバカンス、お休みの2ヵ月である。

3月半ば国を挙げてコロナ隔離条令が発令され、外出は控え、仕事も出来る限り在宅テレワークで、事務所も飲食店も美術館や劇場、人の集まる催しは全て中止しての4ヵ月だった。但しマスクはあまり効果がないからと、疑問視されていて必要ないし、着用・無着用は自由だった。病院や薬局、サービス業、そんなところでは着用が義務だったが、急に大量需要が発生して、備蓄や供給問題の方が、政府の仕事として注目話題だった。全国市町村議員の総選挙もあったが、2回目決選投票はコロナで延期され、3ヵ月おいた6月末に開かれた。フランス全市町村の市長・議員が入れ替わる総選挙である。結局、大統領を支持して新しく誕生していた大統領政党派が大敗、環境保護派の新議員たちが7割近い勝利になってしまった。3月から休んで経済活動は最低に押さえられて過ごしたので国民総生産は下がり、中小企業では雇用どころか自身の存続が問題、大企業では大量の人員整理で乗り切ろうとする。失業問題の方が大問題になり、病気よりも仕事で、隔離休業では不安になってしまったのである。全国市町村議員選挙がこんな結果では次の大統領選挙が危ない、早速に内閣を切り替えて、旧首相は解任され、新首相が任命され内閣改造がはじまったばかりである。コロナに用心しながら経済活動振興、失業対策が重点である。今度はマスク着用が政策の焦点になり、急遽フランスの各地市町村では外出や仕事先、着用が義務の町が増えた。今週はパリ市も地区を決めて外出に義務となった。と言うより、コロナ征服に対して政治家や政府の対策がこれしかないのか、マスク使用義務令とか、着用義務地区などを発令してみせては、テレビで時間を取っては流し、対策を講じているような仕事作りの感がある。仕事が無いからみんなが飛びついたマスク生産も、もう3ヵ月目には供給過剰で話題だった。とにかく今はポケットにマスクを入れておかないことには、外出ができない。

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