「マスク」

北緯50度、北海道よりまだ大分上で、フランスは樺太半島の半ばに位置するような北国だから、夏も快適で暑さ知らずの国で、バカンスとは太陽に当りに、不足する紫外線を求めて、南にと出かける2ヵ月なのだった。それが地球の二酸化炭素オゾン層破壊による温暖化とかで、近年10年の夏は40℃近く、それ以上も暑くなる国に変化してしまったのである。パリでも昨年は年間11日間40℃近くまであがる猛暑日があったが、今年はもう12日以上もそれを超えて記録更新中の8月になっている。集中豪雨で洪水の被害が各地にあった4月頃だったが、こんどは異常乾燥でフランスの半分の県の農作物や牧畜に大被害が出るし、何百ヘクタールもの森林火災が各地に発生、連日の放送である。2000メートル以上の北アルプス山脈地帯でも、万年氷だった名物の大氷河が溶けて崩れ落ち、後退して行く。確かに地球の自然の体系が変化してきていて、こんなパリを経験するのは珍しい、暑さで茹だっていて、子供の頃の日本の真夏みたいだ。

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