「極右の時代が戻ってくる?」

外人記者会の関係で、政府の国務長官と団体記者会見に臨む機会があって出席してみた。大きな一等地の昔の貴族屋敷が大臣官邸になって占められていて、厳重な受付検査を通り、白手袋に金鎖の侍従が年輩と若手の3人も入り混じって、時代のついたスタイルの応接室に案内され、ティーサービスもされる。長官は36歳の女性だった。マクロン大統領派の新進で、ハーバード大学でも勉強して国務を担当している秀才らしい。大臣の役職にはこんな役得が昔から附属なのは分かるけれど旧態依然、もう少しモダンにビジネスライクに節約できないのだろうかと思ってしまい、税金を払う庶民の気持ちが分かっているのだろうか。この国も財政赤字を抱え、大問題の国なのである。姿形から若い娘っこなのだし、わたしは倍以上の年齢の古い人間、気分が落ち着かなかったが、とにかく時代が若い人にと動いているのだけが感知できた。

フランスの新聞の週刊付録誌に、世界の出来事の面白い写真を数種載せるページがある。先週号で目をひいたのはヒマラヤ山脈のエベレスト頂上。頂上を目指す人の行列が、尾根をズウーッと一列に200人位並んで続いている写真が載っていた。5月22日に撮ったものだと書かれ、近年はこんな具合に登山ラッシュが続いているのだそうで、尾根から落ちる事故も多いと書かれている。観光公害と言われるが、成層圏の上にある世界最高峰エベレストの頂上まで、人が押し掛ける時代なのだとびっくりしてしまった。昨年フランスを訪れた外国人は約9000万人、対前年3%増である。

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