岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2019年2月10日

「パリの中の日本」

1月末、男子服のファッションウィークがあり、オートクチュールの春夏コレクションが続き、若い頃はファッションニュ-スが全てで、一所懸命追い掛けて過ぎていたのが嘘みたい。すべてが何でも出来上がって、吊るされた衣服を選んで、自由に着られる現代なので、発表ショー光景なんて時間の無駄で、もっと他にすることがあるし、先方から見て欲しいとビデオ画像で追い掛けて来るような時勢である。それでも旧友の桂由美さんのパリコレクションだけは、励ましにでかける。1月と7月、年に二回、日本的な素材を選んで、30着ばかりのパーティドレスを創作して見せる努力を怠らない。ファンがあって、応援の木寺大使夫妻はじめ、300人ばかりの固定招待客。先日は久しぶりにお馴染みのホテルウエスティンの皇帝の間、前2回は区役所ホールだった。帝政様式の豪華な装飾のなかに戻り、スタッフチームを陣頭指揮して本人は車椅子で発表ショーである。もう17年間もショーを続け、15年前からパリのシャネル本店の真向かいに、自分のブティックを開店させ頑張っている。友達ながら頭が下がる。

第46回アングレーム国際漫画フェスティバルがあった。パリから南西に向けて下がった450キロ、パリのノートルダム寺院と同じ頃に建てられたカテドラルで有名だが、46年前から漫画文化に注目し、町興しにフェスティバルを開いた。今では常設漫画会館まで作り、1月末の数日は、世界中から漫画作家と出版業者が集まって取引される。もちろん日本はスーパースター扱いである。フランスで一番権威のある漫画祭と目されていて、先見の明があったと言うのだろうか、パリからも大勢移動出張する。

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