「世界のトップ芸をテレビで満喫」

しかし、何より年末一番の関心を集めたのは、フランスのマクロン新大統領の初の年末施政演説であった。優秀で社会党内閣の財務、大蔵大臣に37歳で抜擢され注目されたが、途中で止めて飛び出して改革政治運動を起こし、大統領になってしまったのである。政治家代議士の経験なく、40才の若者。大晦日の夜のニュースの始まり20時のゴールデンタイムに18分間、全フランス国民に向け未来をどのように開いて行くか、政治方針を執務室から実況で訴えた。ドゴール大統領の始めた半世紀つづく年末恒例であるが、この若さで7か月前までは考えられないことであった。政党政治家たちの手垢に汚れ、自分たちの利権だけにしがみつく姿に見限って、フランス国民が新人若者に自分たちの将来を任せたのである。国の運命を背負って、どうなって行くのかみんな見守っているし、自分の半分の齢の若者である。これを選ぶフランス国民も、引き受けて背負う人も、凄いものだと惹きつけられてしまった。選挙で現代は、このような革命も成立できるのである。

2018年1月10日 赤木 曠児郎

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