「2015・お正月早々」

  新年、フランスでは一斉に1月1日より、郵便料金、鉄道運賃、駐車違反の罰金、何でも公共料金が数%の値上げである。とにかく国民総生産の57%は税金、強制保険などで国が取り上げて、バラ撒く仕組みだから、税金を軽くするなどと、選挙などの口先では公約しながら、上がるのである。SMIGと呼ばれる最低賃金も、何%か必ず毎年アップする。仕事が出来ようが出来まいが、新人でも人を雇えば、初任給、その金額は払われないと、法律違反なのである。
正月早々、依頼の用事があってある商店に行く。店主が一人でポッツリと店番している。社長直々ですかと訊ねると、一人残して年末で全員解雇、今日は祭日の続きなので働く人無く、私一人が店番ですと答える。とにかく仕事に注文の波はあるし、雇用者側負担の社会保障義務金が重たくて、とても人を雇っては続けられません。公務員とか武器、戦闘機を作って売って儲けるような大企業には出来るのでしょうが、同じ基準で中小、個人企業のわれわれには不可能です。失業の増加、若者に職のないこと、社会問題で、政府も対策に応じていますが、「天に向かって唾はいているようなもので、人を雇えば重い雇用者負担の支払いが重く掛かって来るので、人手が不足でも雇えません」と嘆く。町を歩くと、年末を限りに空き家になり、店舗貸しますの広告が目立つ。社会主義で、労働者の権利はレベル高く守られ過ぎているのである。正月早々、飛行会社のストライキで、一番の稼ぎ時の日に70%しか飛ばなかったり、医者が社会保険制度に不満で診療ストを年末継続中。国内産業は空洞化、失業の増加は当然の結果として当たり前で、失業していろいろな手当もらった方が、働いてキューキュー絞られるより、有利で遊んで良いような社会が出来ている。これでは幾らでも地中海を命がけで船で渡ってでも、難民が流れ込んでくる道理である。

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