「今年も暮れる」

 パリの日本文化会館では9月末から、12月中旬までの「浮世絵8大巨匠展」が久方ぶりの大ヒット、この館の開館以来15年間のヒットは、草間彌生展が断トツで3万強、縄文土器展が2万7千、今回久方ぶりに1万数千の大ヒット中。写楽の肉筆などまであって話題を呼び、日本の浮世絵は強い。以前の「広重江戸百景展」も悪くない記録であった。地下展示場では今月、備前の藤原和さんの展示二週間と、講演会もあった。地味な備前に珍しい真っ朱な色の斑紋が、どうやって生まれるのか、皆の関心を呼んでいて、年末まではポンピドーセンターの近くの画廊でも個展を続けるそうである。ポンピドーセンターでも、来年1月まで草間彌生回顧展が続いているが、今回の人気も強い。日本文化会館のセーヌ河少し上流の、原始美術博物館で、先日から日本の甲冑刀剣美術展始まっていて大評判、部厚いカタログと、華麗さに圧倒されている。明年1月末まで続くが、ガブリエル・バルビエ・ミュラーという一家が親子3代かけて、こちらで集めたコレクションだそうである。ギリシャにある先述の浮世絵コレクションと言い、ヨーロッパの趣味人には深いものがある。

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