「世界中が変な気候」

 祭日8月15日を含む週は、本当にヨーロッパの休日で、集中して殆どの店が休んでしまう。夏休みでシャッターを降ろしている店が多いが、バカンス旅行でパリに立ち寄る人もある。フランス人の半数近い人が夏休暇を取ると答え、半分は働いているわけで、7月に早く休んで、8月には店を開く人、カッフェやレストランもある。何しろ法律でバカンスは働く人に、年間5週間決められているのだから、ジッとしていても取らなければ違法なのである。働いた方が良いという選択余地がフランス国民に無いのを、まず理解しなければならない。
 タクシーなどでも、8月は市内をスイスイ走れるので、かなりな実入りになり、この月はパリに居るようにしていますとか、他店が休むので、8月は意外と客が多く、7月を休んで店を開けています。皆が休日の延長気分だから、事務所に出ても、外は明るく気候は良いし、少しは発散ムードとなるわけで、賑わっているレストランやカッフェのテラスも多い。半分が休めば半分が繁盛で、全体では同じと帳尻が合っている。地方は、家族連れバカンス客で、年間の売上げ作りに戦場である。車ラッシュ、混雑、行列、それより空いたパリで、のんびり、軽井沢ででも暮らしているような気分での選択も、可能なのである。

2011年8月12日 赤木 曠児郎

page3/3