「復活祭の頃」

 招かれて音楽コンサートが、2晩続いた。ユネスコ大ホールであったのは、イタリアのサルジニア島首都カリアリ市にある、カリアリ国際音楽アカデミーの、設立10周年コンサート。大きな地中海の島だが、この島の王様が19世紀にイタリアを統一して、第二次大戦まで続くイタリー王国を築いた、その起源の町で、学校と観光宣伝もかねている。イタリア大使の挨拶や、叙勲に始まり、満員の外交行事。毎年一回ユネスコホールで開くが、NYや東京にも、世界中にこの学校のアンテナ教室があるのだそうである。
 有名なサル・ガボー音楽ホールで、日本人ピアニスト岡崎順子さんの、「ショパン生誕200年」がテーマのコンサートに招かれる。もう1998年から毎年一回ここで開き、他にも毎月3回は市内の古い教会堂で、定期コンサートを続けているピアニストだから、フランス人の客で埋まり、ポール・クローデルの孫のフランソワも一所懸命友人で会場整理、応援している。パリの中心地、大きなパイプオルガンのバック、バルコン席の18世紀装飾、105年の歴史のコンサートホールで、スタインウェイのグランドピアノで聴くショパン。矢張り本場の雰囲気、力が籠もる。パリには音楽家も一杯で、毎晩でも何かあるが、最近はこの二つに出かけたのでありました。

2010年4月10日 赤木 曠児郎

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