岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2010年4月10日

「復活祭の頃」

 ソルボンヌ大学などのある学生街に出かける。この区の区役所が1年前に私の展覧会を開いてくれた関係で、毎年開かれる区美術展の審査員を頼まれたからである。これが流行というものなのだろうか、女子学生の姿がすっかり変わっている。黒のナイロンパンティストッキングに、ミニスカートか超ミニパンツを組み合わせ、不安定の気候をブーツの丈でバランスを調節している。どうやって脚を通したのか分からないような細いジーンズ(新品でパリッとしてなくてはいけない)にブーツも同時に多く、二つが主流で、とにかく細く長い脚をスラリと見せている。折からパリ市立プチ・パレ美術館では、サンローランの大回顧展が春の話題で、トレードマークだったソフトな黒パンタロンスタイルが沢山並ぶが、もうそちらは美術館行き、 若さはこちらと極端に思わせるところが、流行の美学というものだろう。

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