ビラール大通りの屋敷裏門(2)
ビラール大通りの屋敷裏門(2)
 

「マスクの国」

 国民健康保険があるのだから、自分が菌を散らすと気づいたら、無理をしてまで働かないで、医者の診断で、家に静かに休養と栄養を取って休むこと、出歩かなければよいのである。自分がまず他人に迷惑を掛けないことを心がけるのが、社会生活の基本第一歩である。マスクを掛けてまでも、それが許されないとしたら、誰の所為だろう。
 失礼だけれど、第三者の他人を疑って、予防のためにマスクを掛けるのかもしれない。しかしヨーロッパのマナーでは、もう既に他人の前でクシャミをすることは、大変失礼で、育ちの悪い、恥ずかしい事になっていて、子供の内から躾けられていて、顔を真っ赤にして、腹を捻っでも、クシャミだけはしないで押さえ込む。その代わり人前でハンカチや鼻紙出して、鼻をチンとかむのが、別に失礼ではなく、鼻をズルズル、グスグス啜り上げるのは、気持ち悪がられ、気にされる。そんなところが、普通生活にマスクの必要でない、理由と思う。
 日本では、相当の地位にある人でも、突然ハックションと、周りをびっくりさせるような音を出して、御免と平然としていて、周りのヨーロッパ人を驚かせる。これって今マスコミに、飛沫汚染周囲に何メートルに及ぶと、書かれている行為である。逆に、日本では他人の面前で堂々と鼻をかむのは、大禁物である。
  考えてみると一週間の日本、マスクで物々しく陣頭指揮、年金保険、派遣失業、不正、天下り、選挙、全てを忘れて、風邪騒ぎ一辺倒。まだ広まってもないのに、まるで誰かさんにとって、カミカゼ(神風邪)の吹く国に思えた。

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