パリ日本文化会館
 

「パリの日本勢」

 国立グランパレ美術館で、明年一月まで日本の女性ばかりをテーマにした浮世絵が集められて、江戸初期の肉筆屏風から、江戸末期の版画まで、217点の作品が集められ話題。パリの国立ギメ東洋美術館には4000点以上のコレクションが百年以上前から集められてきているのだから凄いコレクションがあり、その中の美人画の選り抜きが展示されている。凄いのは春画の四室あること、今は自由化されたらしいが、映画「愛のコリーダ」ズバリが展示され、見入っている。昔から女の子に「日本の版画一緒に見ませんか?」というフランス会話の表現は、一緒に寝ませんかの表現として教えられていたが、なるほどなと納得できる。
 歌舞伎公演が始まっている。新海老蔵の襲名と、久し振りの歌舞伎パリ公演。団十郎も出るし、海老蔵と菊之助の「鳥辺山心中」両人二十七歳前後だから、美しさにうっとり。何しろホモを公認して正式結婚を認める市長も現れる国だから、訴えるものがあるのだろう、超満員でもう切符は手に入らない。ある日本からきた女性、何とかチケットを手に入れたいと必死だが「日本で幾らでも見れるのに」と言ったら「日本の歌舞伎座では、この三倍、この値段では手に入らないの」といった。なるほど最上の席で五千円が相場、それがこちらパリの演劇の相場で、外国から公演に来たと目茶苦茶な値段のチケットの日本とは、違うのでした。
 パリ日本文化会館では、歌舞伎の衣装の展示と、着付けの実演。口コミで段々人気になり、入場無料だが開館も前から並ばないと、当日整理券が手に入らない有り様まで成功。同じ場所で、淡路人形浄瑠璃が、パリでも二日間公演。兵庫県パリ事務所設立十周年記念とかで、井戸敏三知事も参加されて、公演後パーティもあり、賑やかなのである。


2004年10月21日 赤木 曠児郎  
BACK  

page3/3