岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

グラン・パレ−コンコルド橋

【近況】

ルーブル美術館地下入口、カルーセル・デュ・ルーブル会場で開かれた、1890年創設サロン・ナショナル・デ・ボザール(国民美術家協会)展で、50号の裸婦作品が2002年度ピュビス・ド・シャバンヌ賞に選ばれました。
同賞は、同展役員中より一人選ばれ、明年度の会場で個展コーナーが開かれる伝統で、日本人の受賞は初めてです。
- - - - - -
ご要望に応え再版、装い新たに「新書版・私のファッション屋時代」が出来ました。
900円+送料
株式会社 第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)3235-3051
FAX(03)3235-0158
または、展覧会場でのみ発売
 

「パリに木の芽の吹く季節」

 三月、サクラが満開。桜桃が殆どだから、重そうな花をどっさりとサクラ色につけている。十一月から三月まで、枯れ枝だった街路樹が一斉に起き上がり、木の芽がムクムクふくらみ、アッと言う間に青葉におおわれてしまうから、冬のあいだに描きかけていた枯れ木のある構図の絵を仕上げないと、来年まで待たなくてはならないので、もう一日一日が追い掛けられるように目が離せなくて必死なのである。マロニエ(日本の栃の木)の樹木など、四月には青葉一杯、白い花を咲かせ、七月には実を成らせ、八月には茶色の枯れ葉で落ち始めるので、また忙しく一年が終わる。
 本当にぽかぽかの日差しと、木の芽のふくらむのは早いから、景観が日に日に変化して、現場から離れられない季節なのである。
 1953年にフランスでは、アシェット社という大出版社が、小型、軽装のポケット文庫シリーズを売り出して、今年で五十周年だそうである。この国には今でも文庫版サイズの本は無いから、このポケット版というのは日本の新書版にあたる。日本では岩波文庫は1927年からあるし、新書版は1938年の、これも岩波新書が始まりだとされている。

  NEXT

page1/3

 
赤木 曠児郎 (2003年3月21日)
赤木曠児郎氏 略歴
TOPへ