今週の詩
2025.2.3.~2025.2.8.
『 にせ物語 d 入浴 』
身近な人だからこそ
わかってくれるに違いないという期待や思い込みが、
よかれと思ってしたことが、
相手の気持ちにそぐわないことはあるものです。
「女」が、友達にさえ理解されない思いを綴るのは、
ノートでも原稿用紙でもなく手近な「台所の日めくりの余白」です。
夫婦のありふれた生活が「台所の日めくり」に象徴され、
その余白には、それぞれの思いが託されるのです。
「女」の気持ちを思いつつも、
「夫」が「女」の望む通りの言葉を返さないのは、
明かすことのない思いがあるため余白のままなのでしょうか。
一方「女」は、
自分の見えているように「夫」の思いを捉え、
余白に自分の思いを綴っていきます。
「台所の日めくりの余白」に綴られる二人だけの世界が、
この短章により私たちにも開かれています。
わかってくれるに違いないという期待や思い込みが、
よかれと思ってしたことが、
相手の気持ちにそぐわないことはあるものです。
「女」が、友達にさえ理解されない思いを綴るのは、
ノートでも原稿用紙でもなく手近な「台所の日めくりの余白」です。
夫婦のありふれた生活が「台所の日めくり」に象徴され、
その余白には、それぞれの思いが託されるのです。
「女」の気持ちを思いつつも、
「夫」が「女」の望む通りの言葉を返さないのは、
明かすことのない思いがあるため余白のままなのでしょうか。
一方「女」は、
自分の見えているように「夫」の思いを捉え、
余白に自分の思いを綴っていきます。
「台所の日めくりの余白」に綴られる二人だけの世界が、
この短章により私たちにも開かれています。
<文・白根直子>
永瀬清子さん プロフィール

過去の放送をPodcastで配信中!
朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。