永瀬清子の世界タイトル

岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。

永瀬さんの世界へ、心を踏み入れてみませんか?

今週の詩

2025.2.3.~2025.2.8.

『 にせ物語 d 入浴 』

      
身近な人だからこそ
わかってくれるに違いないという期待や思い込みが、
よかれと思ってしたことが、
相手の気持ちにそぐわないことはあるものです。
「女」が、友達にさえ理解されない思いを綴るのは、
ノートでも原稿用紙でもなく手近な「台所の日めくりの余白」です。
夫婦のありふれた生活が「台所の日めくり」に象徴され、
その余白には、それぞれの思いが託されるのです。
「女」の気持ちを思いつつも、
「夫」が「女」の望む通りの言葉を返さないのは、
明かすことのない思いがあるため余白のままなのでしょうか。
一方「女」は、
自分の見えているように「夫」の思いを捉え、
余白に自分の思いを綴っていきます。
「台所の日めくりの余白」に綴られる二人だけの世界が、
この短章により私たちにも開かれています。
 
<文・白根直子> 

永瀬清子さん プロフィール

永瀬清子さんの写真

1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。

1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。

多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。

戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。

岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。

また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。

番組へのメッセージ

番組では、ご感想や朗読してほしい詩のリクエストを募集しています。

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朗読

RSKアナウンサー
小林 章子
(こばやしあきこ)

岡山市生まれ。

RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。

2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」

2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」

2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。