今週の詩
2025.7.14.~2025.7.19.
『 夏 』
この詩の「私」は、
「私は身の不自由なあまり時々人に甘えすぎるのでいけない」と自制し、
「私は何でも身一つで処置するやうになるであらう」と、
誰の力も借りずに一人で物事をなしとげていきたいと考えています。
さらに「物事を回想するばかり」の九月ではなく、
「夏は暑ければ暑いほどよい」と夏を讃える詩句からは、
過去を振り返るのではなく、
今を生き、走り抜けようとする疾走感が感じられます。
太陽の強い光のような、みなぎるエネルギーや強さとともに、
その強さゆえにどこかさびしさも思わせます。
劇作家の長谷川時雨は、
この詩「夏」を読んだ驚きを、
『時事新報』(1933年10月10日)という新聞に
「女流作家展望(二)後ろの鮫に唸る」書き、
永瀬清子を応援してくれました。
永瀬清子は、このようにいろいろな人に応援され活躍の場を与えられたのです。
「私は身の不自由なあまり時々人に甘えすぎるのでいけない」と自制し、
「私は何でも身一つで処置するやうになるであらう」と、
誰の力も借りずに一人で物事をなしとげていきたいと考えています。
さらに「物事を回想するばかり」の九月ではなく、
「夏は暑ければ暑いほどよい」と夏を讃える詩句からは、
過去を振り返るのではなく、
今を生き、走り抜けようとする疾走感が感じられます。
太陽の強い光のような、みなぎるエネルギーや強さとともに、
その強さゆえにどこかさびしさも思わせます。
劇作家の長谷川時雨は、
この詩「夏」を読んだ驚きを、
『時事新報』(1933年10月10日)という新聞に
「女流作家展望(二)後ろの鮫に唸る」書き、
永瀬清子を応援してくれました。
永瀬清子は、このようにいろいろな人に応援され活躍の場を与えられたのです。
<文・白根直子>
永瀬清子さん プロフィール

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朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。