永瀬清子の世界タイトル

岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。

永瀬さんの世界へ、心を踏み入れてみませんか?

今週の詩

2025.12.15.~2025.12.20.

『 クリスマス 』

      
「クリスマス」は、
永瀬さんが松木の家で暮らしていた頃に書いた短章です。
12月になるとクリスマスのイルミネーションが輝き、
きらびやかな夜景が見られるようになります。
赤と緑と金色で彩られるクリスマスのディスプレイ。
クリスマスソングが流れ、
寒いながらも街全体が楽しげな空気になる頃です。
ところが、
「この田舎では何一つクリスマスらしくたのしげなものはない」と
冬枯れて静かな日常の風景を描写します。
そこには、「東の山の上にオリオンが、すばらしく新鮮に輝いているだけ」です。
そのオリオンの輝きが永瀬さんの心を捉えました。
東方の三博士が星に導かれてキリストのところへたどり着いたように。
だからこそ「それがクリスマス。」と締めくくり、
本当のクリスマスをオリオンの輝きに重ね合わせたのかもしれません。

<文・白根直子>

永瀬清子さん プロフィール

永瀬清子さんの写真

1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。

1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。

多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。

戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。

岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。

また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。

番組へのメッセージ

番組では、ご感想や朗読してほしい詩のリクエストを募集しています。

過去の放送をPodcastで配信中!

朗読

RSKアナウンサー
小林 章子
(こばやしあきこ)

岡山市生まれ。

RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。

2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」

2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」

2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。