今週の詩
2026.11.2.~2026.11.7.
『 この海の 』
この詩は、
金沢で暮らした多感な時期に見たであろう日本海の美しさが
モチーフになっています。
「私」の中にある海の美しさは、
現実の「この海の碧い美しい色」と
「比べることは出来ない」ほどの美しさとして、
心に刻みつけられていました。
それは「息をひそめている」ように静かで、
「月光のように蒼ざめている」とあるように、
冷たく深い青さはどこか暗く悲しげです。
そのうえ「鬣(たてがみ)をもった波濤(はとう)の変形」と
高く大きくよせる波のような激しさがあるのです。
「陽にさざなみをきらめかして私に近づく人」は、
「私」が冷たく暗く激しいものを内に秘めていることは知りません。
暗闇があるからこそ光の強さが感じられるように、
「私」の中にある海の美しさとそのきらめきは、
知られぬ「私」の姿でもあるのでしょう。
<文・白根直子>
金沢で暮らした多感な時期に見たであろう日本海の美しさが
モチーフになっています。
「私」の中にある海の美しさは、
現実の「この海の碧い美しい色」と
「比べることは出来ない」ほどの美しさとして、
心に刻みつけられていました。
それは「息をひそめている」ように静かで、
「月光のように蒼ざめている」とあるように、
冷たく深い青さはどこか暗く悲しげです。
そのうえ「鬣(たてがみ)をもった波濤(はとう)の変形」と
高く大きくよせる波のような激しさがあるのです。
「陽にさざなみをきらめかして私に近づく人」は、
「私」が冷たく暗く激しいものを内に秘めていることは知りません。
暗闇があるからこそ光の強さが感じられるように、
「私」の中にある海の美しさとそのきらめきは、
知られぬ「私」の姿でもあるのでしょう。
<文・白根直子>
永瀬清子さん プロフィール
過去の放送をPodcastで配信中!
朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。