今週の詩
2026.5.11.~2026.5.16.
『 出ていった三章 b 焦げついた 』
焦げついた鍋とその中身についても、永瀬さんは詩に書きました。
何かが煮立ち、沸騰して泡立つ鍋の中は、
まるで「私」の「生」のように様々な出来事が渦巻いています。
つまり鍋は「私」の象徴であり、
「生」とは、気力も体力も満ちあふれる命そのものが、
鍋の中で勢いよく渦巻いている様子を指すのでしょう。
そのような鍋の中身もだんだんと少なくなっていき、
「るすが私を占める」ようになっていきます。
「るす」は、「『死』よりもっとかわいそうな」ものとあることから、
気力はあっても体がついていかないアンバランスの象徴です。
やがて、その気力さえもだんだんと失われていき、
老いていくために鍋の中身は焦げついていくのでしょう。
老いていくとはどういうことなのかを捉えた一篇ではないでしょうか。
何かが煮立ち、沸騰して泡立つ鍋の中は、
まるで「私」の「生」のように様々な出来事が渦巻いています。
つまり鍋は「私」の象徴であり、
「生」とは、気力も体力も満ちあふれる命そのものが、
鍋の中で勢いよく渦巻いている様子を指すのでしょう。
そのような鍋の中身もだんだんと少なくなっていき、
「るすが私を占める」ようになっていきます。
「るす」は、「『死』よりもっとかわいそうな」ものとあることから、
気力はあっても体がついていかないアンバランスの象徴です。
やがて、その気力さえもだんだんと失われていき、
老いていくために鍋の中身は焦げついていくのでしょう。
老いていくとはどういうことなのかを捉えた一篇ではないでしょうか。
<文・白根直子>
永瀬清子さん プロフィール
過去の放送をPodcastで配信中!
朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。