今週の詩
2026.4.6.~2026.4.11.
『 私は 』
「世間みず」で「井の中の蛙」のような「私」。
かつては、自分の「狭さ」や「ある部分しかピントが合はない」ことを
「欠点」と思っていました。
しかしこの「欠点」は、
隠すものではなく肯定すべきものだと考えているところにこの詩の魅力があります。
たとえば、昼間のいつもの明るさの中では感じにくい光でも、
闇の中では、「少しのすき間から一直線にさしてくる光」は鮮烈な光として届きます。
そのように「私」は、自分の「欠点」を生かして、
「私」でなければ見えないものを捉えようとしているのではないでしょうか。
闇が深ければ深いほど、差し込む光の強さは際立ちます。
そしてその光のように「私」の見方を深めていくことは、
いつか自分自身を支える「私」の味方になっていくのです。
「欠点」というマイナスを「私」しか捉えられない光というプラスにしていく。
この詩を貫く眼差しに永瀬清子さんの生き方を感じないではいられません。
<文・白根直子>
注)永瀬清子の詩「私は」(『諸国の天女』河出書房 1940年)の引用は
『永瀬清子詩集』(思潮社 1979年)によります。
同題の他作品と区別するため、便宜上()内に冒頭の一行目の一部を題名に付記しました。
かつては、自分の「狭さ」や「ある部分しかピントが合はない」ことを
「欠点」と思っていました。
しかしこの「欠点」は、
隠すものではなく肯定すべきものだと考えているところにこの詩の魅力があります。
たとえば、昼間のいつもの明るさの中では感じにくい光でも、
闇の中では、「少しのすき間から一直線にさしてくる光」は鮮烈な光として届きます。
そのように「私」は、自分の「欠点」を生かして、
「私」でなければ見えないものを捉えようとしているのではないでしょうか。
闇が深ければ深いほど、差し込む光の強さは際立ちます。
そしてその光のように「私」の見方を深めていくことは、
いつか自分自身を支える「私」の味方になっていくのです。
「欠点」というマイナスを「私」しか捉えられない光というプラスにしていく。
この詩を貫く眼差しに永瀬清子さんの生き方を感じないではいられません。
<文・白根直子>
注)永瀬清子の詩「私は」(『諸国の天女』河出書房 1940年)の引用は
『永瀬清子詩集』(思潮社 1979年)によります。
同題の他作品と区別するため、便宜上()内に冒頭の一行目の一部を題名に付記しました。
永瀬清子さん プロフィール
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朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。