永瀬清子の世界タイトル

岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。

永瀬さんの世界へ、心を踏み入れてみませんか?

今週の詩

2026.10.5.~2026.10.10.

『 短章『お皿』 』

      
秋のお祭りの準備で忙しいけれど心躍る時間。
娘とお鮨を作るうれしさで、
いつも以上に「夕ぐれの空と光線」の美しさを感じていたのかもしれません。
そうした喜びが一転したのは、
「好きなお皿が、好きなお皿にぶつかって割れ」てしまったからです。
そして「私」は母であることを忘れ、
娘のことよりも、
割れたお皿の思い出が瞬時に駆け巡り、
「身をよじる執着の気持」にとらわれてしまうのです。
瞬時に「惜しみの言葉がどんどん出ていってお皿をもとにしようとした。」までの「執着」。
当然ですが娘とお皿の価値を比べていたのでありません。
美しい物が失われてしまったばかりか、
単なる物ではなく「私」の一部のようだったお皿が割れてしまった。
これが「人生の苦しい象徴ででもあるかのように」感じられたのは、
これまでの来し方と重なる出来事の数々が、
心の中で一気に再現されたからなのかもしれません。
夕ぐれに起きた一瞬の出来事と複雑な心の動きを鮮やかに切り取っています。
 
<文・白根直子>
 

永瀬清子さん プロフィール

永瀬清子さんの写真

1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。

1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。

多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。

戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。

岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。

また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。

番組へのメッセージ

番組では、ご感想や朗読してほしい詩のリクエストを募集しています。

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朗読

RSKアナウンサー
小林 章子
(こばやしあきこ)

岡山市生まれ。

RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。

2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」

2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」

2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。