永瀬清子の世界タイトル

岡山県出身の詩人・永瀬清子さんの詩をRSKアナウンサー 小林章子の朗読でお届けします。

永瀬さんの世界へ、心を踏み入れてみませんか?

今週の詩

2026.6.29.~2026.7.4.

『 短章『唇』 』

      
永瀬さんが暮らしていた松木の辺りでは、
6月半ばくらいから田植が行われます。
田植は永瀬さんにとって印象深い出来事だったようで、
詩や随筆にもたびたび登場します。
田植が終わったばかりの田に、
二子に分かれた山の頂上が映り、
唇のように見える風景は、
後に詩「アンターレス」(『春になればうぐいすと同じに』)にも登場しており、
永瀬さんが好んだ風景だったのでしょう。
けれども、
苗が生長して水面が見えなくなると、
この風景は消えてしまいます。
「お祭のようにたのしい」共同作業の田植と、
「拷問のように苦しい」子供と二人だけの田植。
にぎやかさと過酷さという、
対極にあるような時間を経て、
田植の終わった風景を静かに心に刻む
「私」の姿が重なることで、
「唇」の美しさと特別さがいっそう際立ちます。
 
 
<文・白根直子>

永瀬清子さん プロフィール

永瀬清子さんの写真

1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。

1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。

多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。

戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。

岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。

また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。

番組へのメッセージ

番組では、ご感想や朗読してほしい詩のリクエストを募集しています。

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朗読

RSKアナウンサー
小林 章子
(こばやしあきこ)

岡山市生まれ。

RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。

2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」

2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」

2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。