制作発表会
2022.12.12(月)
RSK70周年記念事業 映画 新居浜ひかり物語「青いライオン」の制作発表会が、RSKイノベイティブ・メディアセンター 能楽堂ホールtenjin9(岡山市北区)で行われました。
三好聡浩 監督:
有希子さんと幼い嘉成さんが映ったホームビデオがありました。
三好聡浩 監督:
この映像、何度見ても涙が出てくるんです。
それは有希子さんの表情から、必ず立派に育てるという、その強い意志というか健気さが、画面から伝わってきたからだと思います。
三好聡浩 監督:
これは幼い頃の嘉成さんが描いたライオンです。
私はいまの嘉成さんに「改めてライオンを描いていただけませんか」とお願いしました。
それは、なぜかというと、有希子さんの療育が始まった初期の頃に描かれたライオンと、現在の嘉成さんが描かれるライオンの間には、有希子さんが行ってきた療育の日々があるわけで、その2枚の絵を並べたら、ひょっとしたらこの映画で撮るべきものが見えてくるんじゃないか。
何か手がかりがつかめるんじゃないかと思って描いていただいたのが、この「青いライオン」です。
三好聡浩 監督:
ライオンのイメージから一番程遠いと思われる「青」が見事に調和していて、今にも動き出しそう、動いているところが見たいなと思わせる迫力のある絵を描いていただきました。
この絵が出来上がってから、脚本の書き直しが始まりまして、どんどん新しいストーリーが生まれています。
有希子さんの療育の出発点が「かわいいライオン」で、ひとつの到達点が「青いライオン」だと思っています。
この2枚の絵をつなぐストーリーを一場面一場面、大事に撮っていきたいと思っていますので、応援をお願いします。
小林章子:
私も小学生2人の母です。ドキュメンタリーで有希子さんのひたむきで懸命な姿を拝見して感動しました。
有希子さんは、「叱るのではなく譲らない」ということを徹底され、一度決めたら最後までそれを貫く意志の強さがあり、細やかな気配りもできる女性だと思いました。
育児をしていると、誰でも壁にぶつかることがあると思います。
私自身「どうして思い通りにならないんだろう」と自分を責めることもありました。
同じように、子どもにどう向き合うべきか考えている方に、この映画が何かのきっかけになれば嬉しいです
竹下景子:
いまの小学校の現状も踏まえつつ、有希子さんを中心にした嘉成さんの家族に寄り添っていく、そういう校長先生です。
撮影現場はとても誠実で、嘉成さんに向けた愛情がそこここに感じられる、とても素敵な現場でした。
きっとこの作品は、多くの皆さんの心に届くに違いないという確信を持ちました。
檀ふみ:
嘉成さんの描いた「青いライオン」を観たときに、「ああ、素晴らしい」と思って「これに負けない映画を作っていただきたいです」と心から思いました。
そして、その映画は本当に誰かの心の宝物になるような、何かの光になるようなことがあれば素晴らしいなと思います。
石村嘉成:
私の住んでいる新居浜市は、自然が豊かで、山も海もあります。
家から、すぐに小高い山や、青い海に行けるんです。
海に行くと、水辺で小さな生き物を探します。特に、ヤドカリとカニを見つけると、とても嬉しいです。
空と繋がった、青い海を見ていると、とてもすがすがしい気持ちになります。
私は、夕方、父と自然の中を散歩します。一日、一生懸命アトリエで絵を描いた後の、自分へのご褒美の時間です。
幼い時も、私は、よく歩きました。今は亡き母と、山道を歩いたんです。
母は、まだ言葉がうまく出なかった私を連れて、山歩きをしました。療育の一環としての、山歩きだったそうです。
山の頂上まで登ると、母はとてもうれしそうに「ヤッホー」と、言いました。
私も、「ヤッホー」と、母の真似をしました。晴れ渡った青い空に、母と私の声が、飛んでいきました。
今も青い空の中に、母と私の声が楽しそうに浮かんでいるような気がします。
母は、「嘉クン、強い子になってね。優しい子になってね」と青空の向こうから私に言います。
私は、「お母さん、ライオンみたいに、優しくて強い人になるよ」と約束します。
何かに困って泣きそうな時も、自信がなくてドギマギしている時も、青空のライオンを思い出して、頑張ろうと思います。
だから、今回、母との約束の「青いライオン」を絵にしました。
今回、母との思い出が、素晴らしい映画になって、私はとってもうれしいです。
これからも、毎日大好きな絵を描いて頑張ります。皆さん、よろしくお願いします。
石村和徳:
自閉症の子どもには「認知」の障がいがあるんです。
物事が分かりにくい、理解しにくい、理解していないからどんどん出てくるパニックがあります。
私たちが学んだのは、それを積極的に解決していくということです。
「自閉症というのは、脳の機能障がいだから、徹底した療育をする。早期に、母親が正しい知識を持って療育を行えば、使えない脳はあるかもしれないけど、使える脳をフルに生かして発達のチャンスを与えることができる」
しかし、この療育はあまり知られていない現状があります。
ですから、この映画を通じて、本当に困っているご家族の方にお伝えできたらと心から願っております。
また、自閉症の療育のみならず、普通の子育てにも多くの示唆を与えてくれるものと確信しております。
この映画は、一番頑張った亡き妻に見せたいのですが、きっと会場のどこかで喜んで見てくれていると思います。
制作発表会のニュースはこちらから → https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rsk/228800