「ビーチ姿のパリ」

前回、若い女性国務長官のことを書いた。今日のニュースは、その同じ役所の上役の、45歳の担当大臣自身が罷免かどうかのニュースで沸いている。この若さで国民議会議長も2年務め、先頃新大臣に任命されたばかり、閣内No.2と目されていた。40才の若い大統領がフランスのトップに選ばれて、若いエリート官僚が重要なポストに就く。慣れないから派手に役得を使いまくって、目に余ったのである。執務室の改装に猛烈なお金を使い、派手なパーティを開き、役得で公団住宅の持ち物の屋敷に不当に安く利用、と暴かれて罷免すべきだと世論が沸いたのである。若い時から成績優秀、エリート校コースで、エリート官僚、議員、国民議会議長、大臣コース、権力を手にして、庶民の暮らしと縁が遠いから、思い切って張り切って立派にと、やりすぎたのだろうと思う。とにかくこのようなことを、発見して報道し、ながながと議論するマスコミがフランスにはあるからホッとする。特権や便宜を与えられ手懐けられ、忖度してマスコミが黙っているような国だと、お先真っ暗であるが。そのまた昔の日本では、大本営発表や憲兵隊で、沈黙させられていた時代も知っている。今日のシャンゼリーゼの革命記念日の軍隊パレード、テレビ実況放送に大統領夫妻の間の後ろの席に、立場上この大臣の顔が必ずはいるので、どうしてもいろいろ考えさせられてしまった。

2019年7月14日 赤木 曠児郎

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