シャンドマルスのポール・
デシャネル並木道
 

「京都」

 その京都はパリの姉妹都市で、その京都府京都文化博物館というところで、8月2日から10日まで、私のパリの展覧会がある。昨年パリは6ヵ月間で5万9千人、東京は年末年始の10日間で3千5百人、郷里岡山は5月の6日間で5千3百人、今度の京都は幾らの方が見てくださるのだろう。何時ものようにズッと会場につめる。京都の夏の暑さも有名なので、今から少し恐怖である。会場は涼しいから外に出ることもないだろうし、下の階では「無言館」の戦没画学生の作品展も開かれているので、敗戦60年、少し緊張している。私も見てみたい。
 しかし、地球は大丈夫なのだろうか。もう何年も前に地球は砂漠化しているとか、氷河期に入るとこんな不定な温度変化を繰り返すようになると、予測を読んだことがあるが、今年は蠅がいないので不思議。テラスに魚を干しても、いつも煩わしく集まってくる蠅が居ないのに気がつく。平素低温のヨーロッパの蠅も生きられないくらい暑すぎて、蛆も死んでしまったのだろうかと話す。
 何時もテラスで採集している葉紫蘇の芽も伸びない。種の袋に20℃以上に気温がならないと育ちませんと書かれているから当然なのだろうが、暑くて伸びようと思ったら寒くなったり、芽や葉の出ようがないのに違いない。郊外に住む知人の庭でも、珍しく今年は全滅で芽も出ないので、日本に行ったら種を買って来るよう頼まれてしまった。テラス栽培と違って、庭で大地は違うねと、毎年大量の収穫を下さっていた人がである。

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