パリ・シャロンヌの
サンジェルマン教会
 

「近頃のニュース」

 新ローマ法王が決まったが、フランスの新聞は前法王の病状が悪くなってから、この詳細な報道に明け暮れていた。日本では想像も出来ないだろう。ブルジョア層に好まれるル・フィガロ紙など、同じ週に3回も表紙1ページローマ法王のカラー全面写真、特集号が何回も出て、イースター以来心配して押し掛ける信徒たち、葬儀、次の法王の選挙、これにかかりっきりの大スペースのイベントで、他のことはすべて二の次、平常は教会に行くのをさぼっていてもローマ・カトリックの国、フランス国民の別の顔である。
 中国の反日デモも、日本叩きのチャンスさえあればヨーロッパのマスコミは大好きで、小さな地震で日本では問題にもしてなくても、只今日本のどこで地震発生と報道されたり、一寸のことでも結構詳細大きく報道、今回は日本軍の南京入城の古い写真まで大きく出るのである。ドイツもナチス時代を引っ張り出されて、戦後60年たった今でも言い続けられているのだし、ユダヤ問題、中近東、フランス旧植民地のアルジェリア問題など、暴き合って何時までも燻りつづける。日本の学生も反米デモを年中やっていたのである。今でも基地問題は燻る。あまり気にしないで、堂々と皆の主張を言い続けるだけである。九州に行けば、昔中国が日本を攻めて来た時に防ぐために作った堤防の跡もあるのだから、どちらも、どちらなので、外交問題というのは、こんな主張のやりとりせめぎ合い、対等が常識、へこむことはないのである。


2005年4月21日 赤木 曠児郎  
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