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コンケングループ

近藤 義 代表

2020年5月4日(月)

——夢を一言でお聞かせください。

近藤:環境創造企業として、子どもたちに学習の場を提供したいです。

——建物の解体から産業廃棄物の処理まで一貫して手がけていらっしゃいます。コンケングループの特徴を教えてください。

近藤:町中のビルや木造建築の解体をコンケンが行い、それをコンケングループのリサイクルセンター(中間処理施設)でいろんなものにリサイクルをしています。他社との大きな違いは、一か所に複合のプラントがあることで、コンクリートも廃プラスチックも、木くずも建設汚泥もまとめて処理できるのは、岡山県の中では我が社だけなんです。

——90%もの高いリサイクル率を実現するための工夫は。

近藤:理想はリサイクル率100%ですが、それはちょっと難しいので、現在は目標を95%としています。西日本で初めて複合の混合廃棄物の大型選別プラントを導入しましたが、これもリサイクル率を上げるためです。マイクロプラスチックのような小さなものまできれいに処理でき、最後に出てくるきれいな土を盛土材に使えるよう取り組んでいます。つまり、産業廃棄物の中間処理をして終わるのではなく、出たものを極力リサイクルし、それをさまざまな用途の製品として再利用していくのが、コンケングループの夢なのです。現在はそれに特化して研究を進めています。

——その技術の高さから、全国から視察にいらっしゃるそうですね。

近藤:全国から、そして海外からも来ています。岡山市にはSDGs(持続可能な開発目標)やESD(持続可能な開発のための教育)の推進課があり、世界のESD活動拠点として海外でも知られています。このSDGs・ESD推進課へ台湾の大学のグループから視察の申込みがあった際には、ESDに取り組む企業として我が社を紹介いただき、こちらに見学に来ていただきました。技術を見に来るというよりは、ESDの活動で中間処理リサイクルセンターがどのように動いているのかを見に来られる例が多いです。

——働いていらっしゃる方の姿勢やマナーも高く評価されています。

近藤:処分場の職員約30人には、整理整頓、あいさつを徹底させています。この間、アメリカから来られた方に、「同じような業種がアメリカにもあるけれど、ここの社員ほど自信とプライドを持って仕事をしているのは見たことがない」と言われました。社員は毎月ESDについて勉強して、去年1年間はSDGsの勉強にも力を入れましたから、みんなのモチベーションがすごく上がっていますね。

——処分場から生まれる再生品にはどんなものがありますか。

近藤:今まで、ビルなどを壊してできる産業廃棄物のリサイクル材は、埋め立てや盛土材として使われるのがメインでした。そこで我が社では、環境にやさしいガーデン用資材として活用できるよう研究開発を進めています。コンケングループのリサイクルセンターには、こうした再生資源を使って豊かな緑や水辺を再現した「ビオガーデン」や「セラピーガーデン」を整備して、「コンケンガーデン」として公開しています。
 リサイクルセンターでは川の水を引き込んで工場内の散水や清掃などに利用していますが、この水を川に戻す前にきれいにするのが「ビオガーデン」です。これは、ビオトープとガーデンを一緒にしたもので、ここで児島湖の生き物を飼っています。また、「セラピーガーデン」は6m幅、260mの遊歩道で、河津桜など約200種類の植物、樹木を植え、ベンチなどを整備しています。コンクリートの再生砕石や再生処理土、再生木チップや枕木、ゴロ石、礎石など、リサイクルセンターの中で作っている製品がすべて使われており、再生材を使用してどんなことができるかという一つの試験でもあるのです。
 このコンケンガーデンは、地域の子どもたちの自然環境学習の場としても利用されています。ここで子どもたちがメダカをすくって遊び始めたら、なかなか帰らないですね。水辺ってすごくいいなと思います。

——子どもたちはどんなことを学んでいますか。

近藤:リサイクルをしている施設を見学し、コンケンガーデンで遊んでもらうことで、解体から再利用までの流れを実際に体感して、ESDやSDGsの学びをさらに深めてもらっています。小学校への出前授業なども実施していますが、子どもたちの環境学習へのモチベーションはすごく高いと感じます。
 「子どもさんに」と言っていますが、実際には一般の方の団体もたくさん見学に来られます。皆さん、帰る頃には「こんなに分別しないといけないか」と驚かれます。「家に帰ったら、これからは選別してゴミを出さないといけないな」と言ってくださるのがすごくうれしいですね。

——地元の方をすごく大切になさっていますね。

近藤:企業だからやっぱり収益は上げないといけないのだけれど、町内の困り事には極力対応したいと思っています。ただの解体屋、産廃屋というイメージではなく、岡山県の中で「子どものリサイクルの学習といえばコンケンで」と言われるような、そんな企業にしたいですね。

——今後の展開は。

近藤:これからは「農業」ですね。子会社に藤ファームを作って、6棟の温室でシャインマスカットや野菜、キノコなどを、うちで作った再生処理土を使って試験栽培しています。子どもさんがリサイクルの勉強をしたあと、こちらの藤ファームで果物や野菜の収穫の体験をしてもらいたいという夢があり、実現に向けて取り組んでいます。
 その先の夢として、野菜の直売所を作るというものもあります。藤ファームの野菜や、地元の人が家庭菜園で作ったものを一緒に売ることのできる直売所で、ここにもリサイクルセンターと同様のビオガーデンを作り、そのまわりに椅子やテーブルなどでくつろげるスペースも設けて、地域の人の交流の場になればいいなと考えています。
 さらにその先は、収穫した野菜や果物を使ったレストランも作りたいですね。ただ農業だけで終わるのではなく、収穫体験と共に子どもさんの食育ができる施設にできればと、今はワクワクしながら進めています。

近藤 義(こんどう ただし)

コンケングループ 代表

昭和22(1947)年岡山県総社市生まれ。昭和41(1966)年3月関西高等学校卒後、整備工場に入社。昭和43(1968)年8月近藤建材として創業。昭和54(1979)年9月有限会社近藤建材設立し、代表取締役就任。昭和57(1982)年12月株式会社近藤建材に組織変更。平成元(1989)年グループ会社として藤クリーン株式会社を設立し、代表取締役就任。平成27(2015)年9月株式会社近藤建材から株式会社コンケンに社名変更。趣味は、スキューバダイビング、旅行。