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さしこう

芦田太志 社長

2019年9月23日(月)

——夢を一言でお聞かせください。

芦田:天然素材と手作りにこだわった家具と絨毯で、心地良い暮らしを提案したい。

——作家ものの手作り家具やギャッベなどの販売を手がけておられますが、家具の魅力についてお聞かせ下さい。

芦田:私たちのコンセプトは、「天然素材に囲まれた豊かな暮らし」です。扱う家具は、天然の木の良さを最大限に生かしたもので、手触りがよく、使い込むほどに色つやも良くなり、味わい深くなっていきます。50年、100年と使い続けていただけるものですので、シミやキズさえも家族の思い出になり、宝物となって、家族の一員として世代を越えて長く愛され続けると思います。

——なぜ、作家ものの家具を扱おうと思われたのでしょうか。

芦田:作家さんの家具には、天然の材料が最大限に生かされています。そして、「世界で一つしかない自分だけのもの」という満足感があります。また、一つひとつの家具にその作家さんの思いが込められていることも、手作りの良さだと思います。

——天然の材料や国産の素材を使うメリットは。

芦田:天然の素材は人にも地球にも優しく、長く使えてゴミにならないということが一番の利点だと思います。また、日本で育った木は、やはり日本の春夏秋冬をくぐり抜けていますから、製品になってからも梅雨時などの気候にも耐えられ、割れや反りが発生しないメリットがあります。私たちは屋久杉を使った家具も扱っていますが、屋久杉は千年以上の時間を経て育った木ですから、その歴史がすべて年輪に刻まれ、力強く美しい木目となって現れてきます。自然が創りだしたものは、人間の意図で作られたものではないからこそ、人々がそこに癒やしを感じるのではないかと思います。

——ギャッベについてはいかがでしょうか。

芦田:「ギャッベ」とはイランの遊牧民カシュガイ族が手織りする草木染めの素朴な絨毯です。もともと自分たちの生活用具として作られていたものが、30年くらい前から日本でも紹介されるようになり、今ではとても人気があります。どれも世界で1枚しかない絨毯ですから、1枚買うと次にまた欲しくなり、2枚目3枚目と購入されるファンの方も増えています。

——どんな特徴がありますか。

芦田:イランのシラーズという高地で育った羊の、脂分をしっかり含んだウールを使用しているので、水をはじいて汚れにも強いのが特徴です。クリーニングが必要ありませんし、一年中使え、50年から100年はゆうに使えるほど耐久性があります。手触りも柔らかくて気持ちが良く、寝転んでもチクチクしません。裸足で生活する日本人にはもってこいの絨毯だと思います。

——色柄も豊富で、とても鮮やかですね。

芦田:この深みのある色も、すべて現地の草木で染め上げられています。さまざまな植物を混合することで200色以上の色が出せるそうです。また、絵柄は遊牧民が自分たちの願い事などをモチーフに、大胆な発想で織り上げたもので、この素朴な絵柄に癒やされる方も多いようです。

——国際貢献の取り組みについてお聞かせください。

芦田:絨毯の買い付けのために毎年イランに出向くのですが、そこで絨毯の洗い作業の重労働に携わるアフガニスタンの人たちに出会いました。アフガニスタンからの難民が多くいることを知った私は、ある時アフガニスタンの難民学校を訪れ、子どもたちがとても粗末な小屋の中で勉強している姿を見て、日本とのあまりの違いに大変な衝撃を受けました。それから教育物資の支援を数年続けてきましたが、アフガニスタンに学校を建てたいという夢を持つようになり、ギャッベの売り上げ金の一部を充当する学校建設の構想を立てて、2015年に2,000人が通える学校を建設することができました。

——教育の場を提供しようと思われた動機は。

芦田:ギャッベを通じた縁ですから、日頃の感謝を込めて、彼らに何か恩返しをしたいとずっと考えていました。現地の教育体制の不備は大きな問題で、それがテロ等につながっていく「負のループ」を形作っていることから、やはり教育に力を入れていく必要があると感じました。就学への意識が低いため、まずは教育に関心を持ってもらい、たくさんの子どもたちが学校で勉強できる環境を実現したい。そこで学校を建て、今も継続して図書の寄付や活動費の助成を続けています。

——現地での反応はいかがですか。

芦田:子どもたちは元気よく学校に通うことができ、みんな熱心に授業を受けているそうで、「勉強できることが嬉しい」とか「感謝しています」「頑張って勉強しています」といったメッセージをいただいています。将来、そこで学んだ子どもたちが、国際社会で活躍するような人になってくれたらうれしいですね。情勢不安が続く現在では難しいですが、私もいつの日か、その学校に行ってみたいと思っています。早く平和が訪れて、みんなが仲良く通学している姿を見てみたい。難民の方が安心して帰還できるようなアフガニスタンに早くなっていただきたいと願っています。

——今後の展望は。

芦田:これからも、家具もギャッベも時代を超えて長く使えるもの、イコール「本物」にこだわりながら、素敵な暮らしをしていただけるよう、皆様にいろいろなご提案をさせていただきたいと思っております。

芦田 太志(あしだ ふとし)

有限会社サシコー家具店 代表取締役社長

昭和31(1956)年11月12日津山市生まれ。岡山県立津山工業高等学校建築科から近畿大学理工学部建築学科を経て、昭和54(1979)年サシコー家具店入社。平成3(1991)年同社代表取締役社長に就任。趣味は絵画。