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地域の未来が見えてくるインタビュー番組。
会社づくり、人づくり、そして街づくり…エリアのトップの夢、経営ビジョンに迫ります。

前回の放送

近畿警備保障

松尾浩三 社長

2020年8月10日(月)

——夢をお聞かせください。

松尾:警備業の岡山モデルをつくり、全国に発信したいと思っています。

——交通誘導や貴重品の運搬など、さまざまな警備業務を手がけていらっしゃいます。御社の特徴を教えていただけますか。

松尾:弊社は創業25年で、現在は約200人の警備員を配置しています。警備業務は1号から4号に大別されていて、当社は1号の「施設警備」から2号「交通誘導」、「貴重品運搬」(3号)、「ボディーガード」(4号)まで全種目を手がけており、中にはいろいろな施設での特殊業務もあります。
 これからの時代には、警備にプラスアルファができるような仕組みを作っていき、仕事の専門性を高めていく必要があるだろうと考えています。そこで、CADによる工事規制図面を書いたり、道路維持作業用自動車の指定登録をしたりといったことにも取り組んでいます。

——工事規制図面についてお聞かせください。

松尾:当社は警備会社として、いち早く工事規制図面の作成に力を入れてきました。工事規制図面は、看板や警備員の配置など、現場の道路の規制内容をまとめたものです。交通というのは生きたものですから、警備員を固定で配置するのではなくて、移動と固定を織り交ぜながら配置していかないといけません。さまざまな要素をこの図面に落とし込んでいくことで、工事を安全に、スムーズに進められるようになります。
 この工事規制図面の作成は慣れていないと難しいので、建設会社や橋梁などのコンサルタント会社、トンネルの業者などからも弊社に図面の作成依頼がやってくるケースが増えています。警備業務ではなく「鳴門大橋の規制図を引いてください」と図面作成だけを受けるケースもあります。
 この図面のように、単なる警備会社ではできない仕事をやることで、企業価値も上がっていきますし、もらえる金額も変わってきますから、当然従業員に支払える金額も変わってくると思います。

——道路維持作業用自動車の指定登録についてはいかがでしょう。

松尾:当社は岡山県でいち早く、本格的に弊社所有の移動式標識車を道路維持作業用自動車として指定登録しました。この道路維持作業用自動車の指定許可を得た8ナンバーの車両を、弊社では現在15台ほど所有しています。
 この8ナンバーの取得は、従来、工事の業者には認められていたものの、警備会社ではなかなか難しかったのです。そこで、陸運局や警察とタイアップしながら取得できるように整備をして、作業車として8ナンバーを取得することができました。これにより、特殊車両に警備員が乗り込んで現場に行き、仕事ができ、お金がもらえるようになったわけです。この方法を全国にシェアしたことで、今ではさまざまな地域で警備会社が8ナンバーを取得できるようになっています。
 これで、規制図面とは別にまたひとつ付加価値を作ったことになります。そういう付加価値をいろいろな場面で増やしていくことが必要になると考えています。

——女性の警備が増えています。

松尾:現在、約200名の警備員の中で女性が25名いますが、これからも女性の社員を増やしてその特徴をもっと表に出していきたいと思っています。
 通行人の方が現場で腹を立てるような場面があっても、警備員が女性だとちょっと一呼吸置いて聞く耳を持ってもらえたり、女性の方が信頼してもらえたり、礼儀正しかったりといった点から、今は女性の警備員が注目されています。女性のスポーツ選手などのボディーガードでは、更衣室やトイレに付いていくなど配慮が必要なケースもありますので、その時には女性警備員が活躍してくれます。
 女性警備員は少しずつ増えてきており、現在、当社の社員同士で結婚したケースが9組あります。警備員の仕事を理解してもらえる家族を持ち、さらにその子供たちにもこの業界に入っていただけるようなサイクルを長期的に作っていければと考えています。

——警備関連の資格取得にも力を入れていらっしゃいます。

松尾:施設警備業務や交通誘導警備、貴重品運搬、空港保安警備や核燃料物質等危険物運搬警備など、警備員にはさまざまな国家資格があります。こうした国家試験をクリアすることで、誇りを持って警備につくことができます。これからは資格取得を伸ばしていき、警備員の社会的貢献度を高めていく必要があると思っています。
 当社では、まず私がすべての資格を取得してから、従業員である社員の教育に当たっています。試験に通っても通らなくても、資格取得のための費用や研修の費用は会社が負担することにしています。結果として試験に落ちたとしても、それだけ勉強して知識を得たということが会社の財産になると考え、そういう方向でやっています。

——座右の銘についてお聞かせください。

松尾:「人は石垣、人は城」が私の座右の銘です。我々は人があっての企業です。一番肝心なことは、人とのつながりを持って行うことですから、いまでも朝は警備に出ていくみんなの様子を見ていますし、給料日には振込ではなく直接受け取りに来てもらっています。そこで会って話をする時間を大切にしています。そういう人とのつながりを持つことが石垣となり城になるのだと思います。
 今はICTとかAIということがよく言われ、導入が進んでいますけれども、この業界はやはり「人」。人を育てて、育成し継承していくことがこの業界の発展につながっていくと考えています。
 いま、警備員の数は警察官よりも非常に多くなっています。これからは警備会社で補完する業務がますます増えていくはずで、社会公共の安全を陰で支えるという意味からも、この業界はもっと伸びていく可能性があるのではないかと私は思っています。

——改めて、夢をお聞かせください。

松尾:ユーザーへの安全の提供と質の高い警備システムの向上を図るために、今後、社員一同、感謝の気持ちを持って邁進したいと思っています。

松尾浩三(まつお こうぞう)

近畿警備保障株式会社 代表取締役社長

昭和29(1954)年総社市生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業(現近畿大学建築学部)。昭和54(1979)年株式会社日本ハウスホールディングスの設計部署に入社し、営業に従事。平成2(1990)年より警備業に転身し、瀬戸警備保障株式会社専務取締役として5年間従事。平成7(1995)年に有限会社近畿警備保障を起ち上げる。平成27(2015)年私設で総合都市計画研究所(1級建築士事務所・宅建取引)を開設。平成30(2018)年より一般社団法人岡山県警備業協会会長。趣味は読書、剣道、ゴルフ。