「大失業時代」

劇場やイベント開催などは以ての外がまだ続くなかに、珍しくパリ市立シャトレ座劇場から隔離が徐々に解禁になり、記者会見を開くとのことで出席してみる。といっても劇場の公演などは開催の見込みはたたず、ヒトが集まっての行事、集まらねば成り立たない興業などはまだ禁止、この時期に珍しかったのである。ヒトとヒトが触れないように、1メートルの間隔を工夫して離して、開催できるのである。こんなのでは劇場、映画館なども入場料で採算などは考えもできないから、ジッとしておれない情熱で、無人、半数の客しか入れられなくても公演を開きたいといった押しで、小規模だと一部許可になる。シャトレ座での記者会見も、100本近い教養文化芸能番組のプログラムを作って、デジタル画面配信する期間限定のフェスティバルを開くからという案内であった。芸能人の公演も、学者、評論家の講座もヒトが集まってくれて発表しなければ成り立たない仕事である。幸い絵描きで画面に向かっているのが仕事で、ヒトが居なくても物に向かってコツコツ打ち込んで作る、個人でもできる有り難い職業なのだが、作品発表となるともう現代はデジタル画面発表なのだろうか。

今年の2月には開けたが、パリオートクチュールも7月に入った今週から秋冬向け新作発表の週間が始まった。といっても海外からの取材記者が集まって、席と席を並べて詰めこまれ、熱気の会場の発表などはとんでもないこと、今は考えられない。結局、1858年以来始まった生きた人間に実物の衣装を着せて見せて、注文を頂くというのが特徴だったファッションショーも、コロナには陥落となった。ハーフサイズの人形に新作を作って並べて見せての発表や、ビデオ画面で発表に代わっている。ファションショーのために海外出張したり、現場に行かなくても済むのである。

page2/3