岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2020年6月10日

「変わって行くパリ」

コロナ隔離処置の解除で、少しづつ生活がもどって来始めた。これ以上閉めさせると、収入が無くなり失業者はあふれ、自棄になり暴動や革命しかないわけで、いかな政府でも抑えきれないというのが実情だとおもう。6月2日解禁の前の週は、レストラン、商店、どのように対応するか、明るい希望の、各業界工夫のニュースで埋まっていた。美容院のヘアードライヤーのようなカバーを、天井からぶら下げてテーブルにつかせるレストラン、巻尺を片手にテーブルとテーブルの間隔を規則に合わせ調整する主人、衣料品ブティックの試着室は閉めざるを得ないが、店内に何人が入れるか、人と人との間隔をテープで貼る店主。みんな2ヵ月半ぶりの再開店に、工夫と夢を沸かせていた。

6月8日(月)、コロナ隔離令でストップしていた、パリのノートルダム寺院の修復工事も再開、まず焼けただれた足場を外してからという段階である。パリに出入りする車の交通ラッシュも早速復活、大気汚染もまた復活。行政の援助補償、助成金措置のニュースは派手だが、延期されていた今年の税金申告も期限が迫る。国の財源は税金収入なのだから、掛かる諸経費、役人の人件費や手数料も含めて、結局は国民の分担なのである。自分たちの肩にかかってくる訳で、急場で助かる必要な人もあるだろうが、貰って喜んでいるものでもないし、貰わない方が割安だと思えるのだが。

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