「この暖かさ、普通じゃない」

毎日地下鉄駅にでるために前を通っている建物に、近年デザイン学校が移転してきたのに気付いていた。先日偶然前を通ったら、立っていた学生からビラを渡され、2日間全校公開、宣伝のため学生作品発表の日なのであった。パリの建物は奥深い、外は1930年造りの単純ビルで、何気なく通り過ぎていた、ダンボール箱か何か作っている会社で、その倉庫もあるのかと思い、40年前にはその門前に座りこんで、近所の絵を描いたこともある。エコール・コンデというデザイン学校が20年前に誕生したが、近くの地下鉄高架線沿いの脇で、画板持った生徒がいるなと見掛ける程度の、小さな教室だと思っていた。それが5年半前にこの建物に移転してきたのである。今回初めて中に入って見たが、内庭は3軒分の内庭を集めた広いもので、中に鉄骨の地下1階地上3階の現代ビルを中庭を囲んで3棟建ち、教室となっている。学士課程から、修士課程まで、現代デザインのいろいろな講座を持ち、850人の生徒が在籍の大繁盛。建築インテリア、印刷デザイン、空間デザイン、写真、服飾、生活品デザインなど、沢山の専門教室に分かれ、それぞれ展示、パソコンを駆使した現代の教育が興味深く、全然知らないで毎日通り過ぎていた自分に、いささか恥ずかしくなった。服飾デザイナー志望の塾、美術学校のデッサン予備校でも入っているのかなと考えていたのである。何年暮らしても、時代に追い付いて行かないと、どんどん変わって新しいものが出来ているのを思い知った。

2020年2月11日 赤木 曠児郎

page3/3