「一ヵ月半も続くパリの交通スト」

パリ近郊の町に「トランザテル社」というIT企業が2000年に誕生、携帯電話やiPhoneに差し込むソフトのSIMチップを作る会社で、現在220人が働いている。170種位のいろいろな製品が開発されているが、3年ほど前、この社開発のチップを購入すると世界中のシステムが交換されて自由に使えるようになり、日本向けのものができたからと、記者会見に招かれたことがある。先日また招かれたので行ってみると、日本のNTTが、会社の株のマジョリティを昨年2月に取得、7月からNTTの子会社になっていて、日本からの出向社員も働いている。今度また新しいチップが開発されて便利になり、もっと広く各種の機械に応用できるチップの新製品が出来たからとの紹介であった。日本市場の独占で守られて利益が出るから、保守でNTTの技術は世界市場から遅れてしまったガラパゴス、韓国にも及ばないと聞かされるが、こんな方法でも世界市場に追い付こうとしているのかと、興味深かったのである。

安倍首相が海外に出掛けた日本のニュースを聞く。国内政治で評判が悪くなって、国内に居にくくなると、外交を強調して外に逃げてかわすのが、海外でも政治家の常識、政権末期症状なのだろうか。立派な平和憲法を持つ日本が、何故自衛艦を海外出兵し、戦争に首を突っ込むことが許されるのか、戦没兵士が出て悲しむのは遺族なので、永いあいだ日本では考えなくて済んでいたことである。

2020年1月11日 赤木 曠児郎

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