岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2018年12月11日

「黄色いベスト」

「黄色いベスト」、ナイロン製の小学校の児童登校、横断歩道保護員やゴミ集めの着るチョッキだが、これを羽織って目印に集まろうと、インターネットで呼びかけたデモが大当たり。平日は働いて、日曜は休みで、土曜日にやりましょうというのが受けた。助成金をたっぷり獲得してお城まで休暇用に持って貴族化の、ストやデモを専業の労働組合発ではなくて、自発的に一般の呼びかけで集まるようになったのだから、IT時代の新型運動である。もう4回目の土曜日騒動、右翼系の人も、左翼系の人も一緒になって、ガソリン税アップに反対、家計に響くと立ち上がったのだったが、今では全て政府への不満の表現に変わっている。困るのは騒動屋と呼ばれる世の中への不満を持つ、下層階級の人たちの一部が便乗して、市内の器具を破壊してバリケードを作ったり、路上駐車の車を燃やして火を付けたり、商店の窓ガラスを壊して強奪に走る連中も、フランス各地から集まって来ることである。漫画の中の人物みたいに武装した警官隊と衝突するところが、テレビのニュースで流れて大変なことのように映るが、限定された場所でのことで、近寄らなければ良いので、一般の人は普通に日常生活を続け、私も街中で絵を描いている。

page1/3