岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2018年6月11日

「東洋と西洋」

日本に旅行してきた。パリにもどると、もう人々はバカンス気分で、町の中はひっそりとしているし、逆に観光場所には人が溢れている。気候の出鱈目なのは世界中同様で、6月なのに真夏の気温になったり、肌寒い日があったり、見当がつかない。ただ夏至が間近かだから、日没は午後10時近く、一日がとても長い季節である。

日本とたいへんに対照的なのは、女性の姿で、パリではみんなと言っていいほど、脚線、ヒップの形をピッタリ見せるジーンズやタイツ、ギョッとさせるような短パンツでタイツを組み合わせたり、とにかく長い脚のラインをニューッとみせて、大きなヒップを振り回して活発に歩いている。お年寄り、どうかなと思う人でも、周りが皆だから流行というものだろう、大胆に結局みんなの姿である。日本にも多少はこんな姿もいたけれど、多かったのはベトナムのアオザイみたいな、太い巾のパンタロン姿の女性だった。東洋と西洋、まったく違う恰好をしている対照が、興味深かかったのである。日本の女性は脚が短い、それが強調されるから、あのぴったりの股引きジーンズだけは、流行でも敬遠という賢明な答えだったが。

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