「パリを散歩」

 外のパリにも出かけて空気に触れたいなと、出掛ける。近年はパリの東部地区に大きな公共建物ができて話題になるし、大変貌しているのだが、西半分に住む住民にはいささか腰が重く未知である。セーヌ河上流側の、オーステルリッツ駅の脇の河岸に「OFF」という51室ある高級ホテルが、投資家グループにより今年6月23日から、営業開始しているのを見る。浮橋2本を鉄骨で繋ぎ、モダンデザインでまとめた、水上に浮かぶホテル誕生である。両河岸にはレストランに改造された船が並び、河岸の散歩空間があって、ゆらゆらとセーヌ河に浮かぶ体験は、また別の眺めかも知れない。またすぐ隣の上流側には、若緑色の龍が河岸に二段にくっついたような、横長な「ドック」と呼ばれるモードとデザイン館も出来ている。博物館や展示会場、モード学校が入って居て、近年誕生の新センターであるが、誰でも自由に入れるから、屋上のテラスレストラン空間がお勧めである。以前は辺鄙なところだったが、今では両側にガラス張りのビルが立ち並び、この辺りの開発は目覚ましい。地区のシンボルのようだったリヨン駅の大きな時計塔も、隠れてしまっている。セーヌ河と緑、日光浴の寛ぎの時間と、新しい若者のパリが発見できる。

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