「サミットって、なぁーに?」

 一面緑の麦畑や森、パリを出るとハイウエーが250キロ続く。村落を避けて、最短距離をハイウエーは設計されているのだろうが、緑の野原の連続に驚く。運転はただ一路、スロープを上下して続く前を見ているだけである。ロアール河地方のお城の一つでこの夏シーズン開かれている、始めて自分のパリ版画の100点全版画を並べる機会に恵まれ、見学にバスをチャーターして日帰りで往復した。緑、緑で広大さにうんざりしながら、ウトウトとしてやがて到着。観光立国、お城が沢山集まっていて、お客の関心を惹くのに激戦地のこの地方、先週は一週間河川の大増水、警戒のため全流域の城は閉鎖、ホテル、レストランも低地は閉めさせお客を移動、洪水に備える体制だった。金曜日から5日間閉鎖で、このお城だけで4000人の入場者を失う損失だったとか、緑の中にポツンとあって、結構人が観光に来るものだと驚きである。パリ市は一日に15万人の外国人観光客が出入りする町である。6月10日から一ヵ月は、ヨーロッパサッカー選手権で、24チームがフランス各地で競い、その話題と、斬新な政府の改革案に、旧来の既得権確保にしがみつき、反対々々の暴力的労組ストが重なって、そのニュースで占められている。我が家の近くの550室の大ホテルの宿泊値段が、毎日客の需要によって上下するシステムだが、先日は二人で一万円を切っていたのに、先週は25000円位の日があって吃驚したが、ユーロサッカーの始まった初日は、4万円までアップして張り出されて、腰抜かしそうだった。応援サポーターが集まり、ホテルが払底して空き部屋がないのである。

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