「舛添知事万歳」

  フランスの外国人特派員協会の催しで、パリ市を取り囲む大パリ圏の、北部開発の見学に行く。分かり易く言えば、ロアシイー国際空港からハイウエーで、ブールジェ空港、フランス国際競技場を経由したパリ市内に入る地帯の、開発計画の説明を受けたのである。通常この一帯の公共交通機関は、隣の市町村に行くにも、一度パリに入ってV型にまた折り返して行かねばならぬ位、何事もパリ中心が常識であるが、近年パリ圏に人口集中にともない、円周状に公共交通機関の整備や、直接の郊外都市連絡計画が盛んである。いろいろな開発公団が多数誕生し、みんな頭文字の略称が呼び名の役所だらけで面倒だが、パリのすぐ北隣り、国鉄駅で一駅の地区、町工場と倉庫、運河が通るだけの空き地だったところに開発が進み、事務所ビル、住宅ビルが建ち、フランス国鉄本社も移転、第二の大学都市が誕生、将来はパリオリンピックの中心となる予定もされている。驚きだったのは、昔は郊外から朝パリ市内に労働者が集まり、夕方また外に出て行くのが常識だったが、通勤時間にパリ市内から外に出る郊外線に、サラリーマンのラッシュ。一駅で降りてビジネスビルに続く人の波だった。10年前には無かった姿で、この辺りでも5万人の雇用が生まれていますと、開発公団の説明。治安の悪さの原因のように思われている移民労働者団地は、もう一回り遠方になっている。

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