「二つの繊維アート展」

 クールジャパン、知的な文化、日本文化をこの言葉で世界に発信のテーマに使っているが、冷たい、寒いが頭に浮かび、嫌な言葉である。クールを「知恵」と訳すらしいが、経産省からの税金が使われ、企業スポンサーなどが協力して日本文化を、ビジネスとして世界に売り込もうとした、国がバックの輸出振興事業である。その枠で、京都とパリが友好都市60周年記念行事の先端として、東本願寺の一派、東山上花山本願寺文化振興財団が、パリで5月初めの2日間、イベントデーを開いた。このような時に利用されるのは、パリが本部のユネスコである。営業として独立できて一派を認められるものは、それぞれ定評の劇場やホールで開催されるが、いま一歩というものに権威がありそうで便利なのがユネスコホールで、大体入場無料。人間国宝、野村万作さんの狂言が目玉呼び物だったが、今回の主催者は大谷暢順法主、法話あり、パネル討論、音楽演奏いろいろな企画プログラムの2日間で、86才の法主ご自身が、東大哲学科を卒業、パリ大学留学、こちらの文学博士号まで取得された、フランス語がベラベラの方で、成程それでこんな日仏文化交流の催しが成立するのだとうなずけた。日仏友好議員連盟からは山東昭子議員、わが元岡山県知事石井正弘議員も上院仏日友議員連盟一員で、出席されていてお目に掛かる。日本文化の精神紹介の、フランス語DVDが、なかなか興味深かった。

2015年5月10日 赤木 曠児郎

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