岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2014年1月10日

「1076台」

 異常に暖かい。年が明けるとどんどん日が進む。この数字は暮れの31日から新年の1日にかけての一夜に、フランスで路上駐車していて、焼かれて燃え上がった車の台数である。毎年発生して、今年は昨年より10.6%少なかったと内務省より発表される。5万3千人の警官が、人が年越しにパーティで浮かれる夜に、警戒に動員されていてである。パリの北隣りの県と、アルザス地方が、特に目立って焼かれ、社会への不満、当てつけ発散とされる。もう一つはこれに便乗して、古い車を焼いて保険で利用も居るのではとも推測される、こんなフランスの顔を知って居るだろうか。パリでは年越しの花火は、一切打ち上げない。0時と共にシャンペンを抜き、シャンゼリーゼで騒ぐ人たちのニュースが、翌日のテレビで流れる。昔のように沢山の人でなく、スカスカしているし、外国人顔なのがスグわかる。この夜フランス全土で、違法の手持ち花火、爆竹を投げつけられて怪我する人、暴力事故、387件の警官介入、理由なく人混みで刺され死亡3件、2人重症、翌日の報道である。だから家庭パーティで、深夜の時報と共に、テラスのある人はテラスに出て外や周りをみまわす。テレビの年越しバライアティ番組も、工夫され華やかで面白い。日本だったら紅白で、行く年来る年だろうか。今年は以前のような、年越し一斉に鳴らす車のクラクションも、禁止されて聞かなかった。

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