岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2012年7月12日

「日本をフランス人と回ったこと」

 6月に2週間だけれど、5人のフランス人を連れて旅行してきた。相当な年輩もいるが、みんな始めての日本旅行である。出発まで不安なのは当然だが、現在のような円高には、ユーロで支払う人にとっては日本の物価高は法外で、とても用心しなければと思ってしまうから、財布の引き締め、緊張感は凄かった。それに東日本大震災の義捐チャリティ、講演会、写真展、コンサートなどなど、この一年間パリは催しに溢れて、善意に溢れてはいるのだろうが、日本中が地震と津波の国だと思っている上、毎日フクシマのニュースは、不安を持って詳細、新聞に大きくでるのである。余程のことがなければ、いま日本に行こうとは思えないのが当然で、今回の旅行、欧米人観光客に出会うこと、本当に少なかった。東京に着くと、普通にあっけらかんと日本人が、何事もなく暮らしている。物は贅沢に溢れ、町はヨーロッパより現在は綺麗に手入れ、清掃されているし、身なりも清潔、贅沢、みんな均一にお化粧されている。それにどこに行っても、一杯の人並である。東京の原宿、竹下通りに行くともう雰囲気に呑まれてしまい、浅草仲見世に入ると、初日からもう素晴らしいの連発である。新幹線は5分間隔でビュンビュン走り、京都で過ごし、法隆寺、奈良、岡山で歓待を受け、世界に知られたヒロシマまで。ここで12日たって、旅行は終わり。広島空港で帰国の一行と、数日残って仕事のため別れたが、 「さて、何か不安ありましたか?」
「すっかり不安なんか忘れてた!?」「日本は素晴らしい。」
と一同、旅を楽しんで満足して、手を振って飛行場に入って行った。
 この人たち、一人々々の楽しかった思い出が口コミで、日本は良かったよ、心配ないから行ってみなさいよと伝わる事しか、世界での日本の評判や、日本観光立国の方法はないのである。震災が売り物のイベント屋さんは、たとえ善意でも要注意と、思い続けている。
 

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