フローラル館(ルーブル美術館)
フロール館(ルーブル美術館)
 

「またシーズンが始まった」

 日仏修好150周年とかで、徳川幕府が西欧諸国の植民地帝国主義の圧力で、国の開港をさせられて、何が幸いになるか分からず、日本がアジアの他の国より一足早く西欧化を取り入れてしまった、150年目のお祝い年の行事の年なのである。何がお祝いなのかよくわからないのだが、パリの日本大使館だけでも650近い催しがフランスに登録されているし、東京にあるフランス大使館にも同様、日本国内での催しが登録されて、ロゴマークが交付され、今年は日仏関連行事の花盛りなのである。もう始まっている三越エトワールの田渕俊夫日本画展(これは圧巻)、浮世絵とか、金比羅さん、金閣寺、銀閣寺の所蔵美術品が運ばれてきたり、黒澤明のスチールデッサン展などまで、市内あちこちのフランスの美術館で、来週いっぺんにオープンの大ラッシュ。それに加えて今週からは、鞄売って儲けるルイ・ビュトンがスポンサーになって、ルーブル美術館、オルセー美術館、グランパレ美術展会場の3会場使って同時にピカソ回顧展が、世界中の美術館から作品集めて大掛かりに開かれている。これがこの秋のパリ美術展の一番の呼び物だろう。コンサート、舞踏、映画、講演会、照明まで何でもあるパリだから、結局、自分の仕事にコツコツと閉じこもっている幸せを感じなければ、フラフラ付き合ったらこの都会では潰れてしまうことを、こちらは再発見。

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