岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。
テラスからのパリ
テラスからのパリ

【近況】

6月27日〜29日
   パリ・オアシス展ル・サロン部出品
6月26日〜7月6日
   茨城・五浦岡倉天心記念美術館パリSNBA展出品
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
講談社エディトリアル・株式会社第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)5319-4150
FAX(03)3944-5241
または、展覧会場でのみ発売
 
2008年5月10日

「5月はパリもゴールデン月間」

 こちらも色々と祭日、休日の重なる月なのだが、五月はサルコジ大統領が誕生して、丁度一年目になる。後四年間の任期が続くが、この一年間にもう三回も、大統領がテレビで国民に直接話しかける時間が持たれ、昨年6月20日、9月20日、11月29日、(就任直後とか、新年を迎える演説放送とは、別にしてである)、そして4月24日にも又、四回目があった。日本では考えられないかも知れないが、世間にいろいろな意見が紛糾し、ガヤガヤになると、突如と大統領会見放送となる。10分や15分位の、普通のニュース時間に挟んで演税の簡単なものではなくて、一時間以上掛けて直接討論、自分の政策を、説明するのである。先日は夜8時のゴールデンタイムに1時間40分、一番視聴率の高い民営化第一チャンネル放送と、NHKにあたる国営第二チャンネル放送で、同時に流した。前々から決まっているプログラムを取り消して、一週間くらいの間に突然決定、入ってくるのである。
  六千万の全人口中、第一で七百五十万人、第二で四百十万人、その他有料チャンネルでも4チャンネルに流れていて、全体でフランス千二百万人が見ていたと発表されている。フランス各チャンネルから、ニュース番組トップ人気キャスターが数名選ばれて、大統領と円座になって質問、即座に直接答えるのだから、迫力ある番組で、外国人の語学力では全部は、はっきり分からないが、今回は55点の、就任以来起こした政策改革について、質問がおよんだという。政治家のトップ会談とか、日曜討論会みたいな、仲間内の党利、党略の駆け引きみたいなものでなくて生番組、それに普通の人が登場、日常生活にかかわることを質問するから興味があるので、みんなテレビにかじり付いて聞いているということになる。
  終わると一般ニュースで、もう一度また要約解説されるし、翌日の全国各紙とも数ページが、この大統領公開会見記事で埋まり、続いて各政党、各組合団体は、それぞれの意見や見解を発表、デモ、ストも起こして、翌日から騒ぎはじめるから、全国こ影響する。それがもうこの一年で四回目なのである。国民の参加する皆のための政治を模索しながら、官僚に任せっばなしでなく、意見と討論を重く見る、この国の気質が、エトランゼーには印象強く映る。

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赤木曠児郎氏 略歴
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