カンブロンヌ通り
 

「日本を旅行してきた」

 今回日本に行ったのは、昔の高校の同期会のためで、昨年秋に「お前が帰ってきて出席出来る日に、日を決めるから」とまで言われて、出席を約束していたので、大した用事もなかったのだが、約束は約束で果たしたのである。 行くとなると多少用事もできるが、まあ目的もなく、日本では首都から地方まで休みなく走る「もう時刻表は不要です、行きたい時に駅に行けば電車は走っています」という新幹線生活に感心し、予想外に多くの友人が日本各地から、郷里に集まった来ていた。 こんなことで貴重な大気中の酸素を大量に使って飛行機で飛んだり、電気で移動で、環境を破壊してよいものなのだろうかと、現代では多少後ろめたい気持ちにもなる。
 東京でも大阪でも一番に感心したのは、空港や駅の清掃の人達で、一日中駅の床を磨いている人たちが多くいて、綺麗なことである。 パリに帰ると人件費が高いので節減々々、人手を機械に替えようとしてまたこれが大量の酸素やエネルギーを使って、大きな騒音出して犬の糞一つ拾う程度の代物なのだが、街の汚ればかりが目立つ。 駅の床には吐き捨てたチューインガムがコンクリートの床に模様にようにこびりつき、以前のパリは清潔で手入れが行き届いた綺麗な町だと思っていたのにと、当分はそればかりが目につく。

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